Orionids 2009

テレビで言っている一時間に40個とか50個とかいう数字は、星のよく見えるところで全天計測した最大値であって、都市部では半分以下と考えたほうがいい。
それと、明け方になるほど観測数が増えるというのは、流れる星の数が多くなるのではなくて、輻射点高度が上がることにより見える数が増えるのであって、よほどの突発群でない限り同じように流れている。
つまり、輻射点高度が低いときは、流れている星の半分は地平線の下なのだ。
今回も、がっかりした人は多いと思う。ただ、他にもっとよく見える流星群もあるわけで、そっちのほうがオススメだ。
さて、今年は観測条件が最高なので二年ぶりに赴いたわけだが、季節外れの黄砂にも悩まされ、結局辛うじて1枚だけ撮影できた。あまりお見せできるようなものではないので、横のメニューの画像掲示板で見ていただきたい。
今回、検索で来られた方も多いので、ちょっと参考になるようなことを書いておこう。
まず、私の使っているカメラは、キャノンのPowerShotA540。マニュアル撮影モードで、ISO800、絞り開放、シャッタースピードは15秒。カスタムセルフタイマーで、10枚連続撮るように設定してある。これ結構便利だ。
セルフタイマーは、シャッターを押すときのブレを防止できるので推奨する。
三脚は必須だ。水準器がついているような高価なものはいらない。カメラが安定すればいい。あとは、防寒具(多めに)、暖かい飲み物、小腹が空いた時のお菓子、冬場ならカイロ、カイロは自分に使うだけでなく、カメラの保温にも使用する。
冬場はバッテリーの減りが早いので、予備は常にポケットの中で暖め、雲が出てきて撮影を休止する場合は、取り出して暖めておく。
A540は、単三型ニッケル水素電池を2本使う。一応、うちには全部で8本あるので、これだけあれば冬場でも夜通しいける。
さて、カメラをどこに向けるかだが、もちろんどこに流れるかわからないので、輻射点付近にとりあえず置いてみよう。
輻射点付近では、流れる数は多くなるが、流星の軌跡が短い。輻射点から離れると、大きな流星が見られるが、今度は数が減る。これだけは運だ。
流星群は冬場に多いので、防寒対策はオーバーなくらいにやってほしい。寒風吹きすさぶ中、4時間5時間も外に居るわけだから(みなさんは小一時間くらいで)、油断すると間違いなく風邪をひく。
今回、マスクが暖かいことに気付いた。カバンの中にたまたまあったのだが、顔が温かくなって助かった。傍から見れば怪しさ満点だ。
あと、これは実際にあったことだが、お巡りさんに職質されることがある。その場合、臆することなくちゃんと説明しよう。
オリオン座流星群で満足できなかった人は、11月のしし座、12月のふたご座と、まだまだいい条件で観測できる流星群があるので、そちらをぜひご覧いただきたい。