セコムのCMに問題が起こった。ココセコムという個人向けセキュリティ端末のCMだ。
暗い夜道、通行人が次々と猛獣に変わり、危険がいっぱいだという比喩表現だ。
商品の使用目的や必要性をうまく表していると思うが、猛獣に変わる人の中に、電柱に登って電気工事をしているシチュエーションがあった。
初見でこれはまずいなとすぐに思った。
猛獣、つまり悪人に変わる通行人に、職業を類推させてはならない。この場合、電気工事をしている人=悪人という根拠のないイメージを植えつけてしまうことになる。
確かに、夜中に電気工事をしている人間は怪しいが、職業に直結する表現は避けるべきである。
問題は、こういうクレームがついたCMのフェイルセーフだ。
CMは、勝手に誰かが作ってテレビでオンエアされるものではない。
企業クライアント、広告代理店、制作会社、テレビ局、立派な大学を出たエライ人達が何十人何百人もよってたかって作り上げるものだ。
そういうエライ人達が、このCMを見て全く何も感じなかったというのが不思議でならない。映像に関して素人であるはずの一般視聴者が気づいているのに、だ。
やはりそういうエライ人達の中に、暗黙の職業蔑視が存在しているのだろうか。
誰かがどこかで、これはまずいんじゃないですかと言えば、こういう事態は防げたはずである。
無闇なクレームで表現の自由が狭まるのは心苦しいが、万人の意見が正論なこともたまにはある。電波に乗る前にチェックはできないものだろうか。
無駄な広告費が商品の品質に影響を与えないのなら構わないのだが。
月: 2007年6月
その男、長島雄一
誕生日に便乗して、妹がチビどもを連れて帰ってきている。
ある日、ちーちゃん用に本を買ってきた。NHK教育の「いないいないばぁっ!」の本だ。
何気なく見ていると、番組中に出てくるワンワンという犬が(そのままやないか)、声優がそのまま着ぐるみを着ているという。
誰やそんなことをする奴は、と言いつつ、頭の中である男が浮かんだ。妹に誰やと訊くと、チョーさんだという。
チョーさん?やはり長島雄一だ。そんなことをするのは奴しかいない。
80年代、「たんけんぼくのまち」など社会科シリーズで革命的な番組を作り出し、当時学生だった私を含め、教育番組フリークにカリスマ的人気を誇った彼が帰ってきたのだ。
早速番組を観てみる。あまり動きで魅せる人ではなかったが、テンションの高さは確かにチョーさんだ。
時間も15分なので、あまり遊びどころはないだろうが、ちゃっかりロケでワンコーナーつくったりしている。おまけに作詞作曲で歌まで歌う始末だ。
チョーさんには、21世紀のノッポさんになってもらって、教育番組を引っ張ってほしい。