京都殺人案内

京都を舞台にしたテレビドラマは数多に上るが、二十年以上に渡ってシリーズとなっている作品は、京都殺人案内を置いて他にはない。
藤田まこと扮する音川音次郎を中心に、娘洋子との親子愛やクセのある上司や同僚刑事たちとの軽妙なやりとり、巨悪に敢然と立ち向かう正義像や罪を犯した者への哀愁などが、情緒ある京都の風景とともに描かれる。
年一回の放送で、クロード・チアリが爪弾くあのギターの音色がテレビから聞こえると、ああ、今年もやるのかと心が躍る。
踊る大捜査線がその季節感を秋冬に固定しているように、京都殺人案内も物語の舞台は冬だ。京都の冬はいい。何より絵になる。京都を知り尽くした松竹京都映画のスタッフならではの絵作りとロケーションはさすがである
劇中、捜査に赴く音川が必ず折りたたみの傘を持っているのは、亡き妻の弔いでもある。
その昔、傘を忘れた音川を追いかけて外に出た妻が、何者かに殺されてしまったのだ。以来、音川は必ず折りたたみの傘を持って外出するようになった。
そのあたりの細かな設定も押さえつつ、次回の放送を楽しみにしていただきたい。11月18日放送だ。

みかつう

ツイッターは@crescentwroksだよん

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