所詮はワイドショーの犬

件の記者会見の映像を見た。
私も、あのレポーターの口調には、いささか憤りを感じた。井口成人という芸能レポーターだ。声優もしているので声がいい。だからよく通る。
彼は、私こそが視聴者の、国民の代表だといわんばかりに次々と質問を浴びせ続けた。
だが彼は、真実を暴こうとするジャーナリストでも、罪を裁く裁判官でもない。ただの芸能レポーターだ。担当しているワイドショーの視聴率さえよければいい、ただの犬だ。
この騒動が、所詮はテレビの視聴率稼ぎの茶番であったことが、これでおわかりいただけただろう。
亀田三兄弟には、これから真のスポーツというものに励んでもらいたい。もちろん、また金の匂いを嗅ぎつけてマスコミがやってくるだろうが、そこは例のごとく鼻であしらって欲しい。

ジョシデカ!


仲間由紀恵が銃を撃っているのでちょっと見てみた。
PPKかと思ったがSIGのP230ステンだ。あまりメジャーではないが、アンダーカバー用として日本の警察に正式採用されていたりする。
で、意外とちゃんと構えているのに驚いた。野郎でも銃を知らないとなかなかうまくできないのに、ちゃんと両手でしっかりグリップしている。
予告でもきちんとニーリングポジションをしていた。付け焼刃でそう簡単にできるもんじゃない。
ドラマはコメディタッチだが、少ないガンアクションを真面目にやってくれているのでありがたい。そういやピン子も撃ってたな。

踊る大捜査線10周年

そうか、もう10年か。
タイトルがミュージカルっぽかったのでどんなドラマだろうと見てみたら、どっぷりとハマってしまった。
君塚良一の緻密なプロットとキャラ設定がなんといっても魅力である。
そんなこんなで、またフジテレビが盛り上げているわけだが、ここにきてどうやら映画のパート3が現実味を帯びてきたようだ。
織田裕二と柳葉敏郎の確執や、いかりや長介の死去により、制作は不可能とされていたが、ドル箱作品を捨て置けないフジテレビからも声が上がっている。
一視聴者として、一ファンとして、私も続編を観てみたいと思う反面、複雑な気持ちもまた抱いているのは正直なところだ。
私がこのシリーズで一番感動したシーンは、テレビシリーズの最終回、取調べを青島に任せて去っていく和久の後ろ姿である。今でもこのシーンを見ると涙が出てくる。
つまり、いかりやさんが亡くなった今、和久を欠いたキャスティングでは踊るは成立しないのだ。
ドラマツルギーの視点からみても、若手を見守る老体は不可欠である。和久の代わりを立てるのか、それとも抜きでやるのか。
いずれにしても、いかりやさん存命で制作したパート3より劣るのは確実である。
10周年はパート3をぶち上げるのに格好なタイミングである。果たして、踊る3はあるのか。
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凶悪事件でテレビアニメ次々と放送中止

もう日本国民すっかり慣れてしまったようで、娘が父を斧で切り殺しても誰も慌てない世の中になってしまった。
しかし、まだまだ肝っ玉の小さいというか、事なかれ主義のちんけな連中は健在で、事件に影響したと思われるテレビアニメや、また違う別の事件に連想させるアニメが放送中止の憂き目に遭っている。
私は別にそのアニメが見たいわけでもなんでもないが、放送中止にしたところで事態は何も変わらない。
単にテレビ局、及びスポンサーは、自分達の番組のせいにされるのを恐れているだけだ。責任を取りたくないだけのことである。
テレビが与える影響が大きいことはわかるが、上澄みだけを掬い取ったところで問題は解決しない。
テレビで公開しない分は、ネットというメディアに流れ、世間が注視できない闇の中で更に拡散していく。
そのうちというか、もう既に、テレビでは当たり障りのない番組だけが延々と流れ続けるのだ。
私は学生時代から言い続けてきたが、現行のテレビ放送のシステムは、破壊すべきである。商業主義に則ったマスメディアの言論思想統制ほど恐ろしいものはない。
ネットのおかげで情報の伝達系統にだいぶ変化が出てきたが、テレビの牙城はそう簡単には崩れない。
視聴者が変われば、きっとテレビ界も変わるだろう。

必殺仕事人2007

まさかここまでジャニタレが食傷してくるとは。
タレントの力量、芝居云々より、仕事人というシリーズに合致していないことのほうが重大だ。
キャスティングの若返りは必須だが、仕事人というビッグタイトルに相応しい人選であるべきだった。
テレ朝の時代劇枠は今秋で消滅する。時代劇は今後、スペシャル枠で制作されるという。仕事人もその中の一つだろう。
太秦のスタッフが渾身の力をこめて、新しい必殺をつくった。時代劇随一と評される照明も健在だった。
しかし、そこに仕事人はいなかった。
懐古主義かもしれないが、世の中変えてはいけないものもあるのだ。

仮面ライダー電王

この時間は大概仕事か休みでも寝てるのでなのであまり観る機会がないが、たまたま時間が合ったので観てみた。
一言で言うと、なかなか面白い。
最近の仮面ライダーシリーズはストイックなものが多過ぎて、本来子供向けであるはずがターゲットがかなり曖昧になっていた。
電王はかなりアットホームな雰囲気になり、一見難しそうなプロットはよく見れば単純だということがわかる。
イマジン(悪も善もいる)という未来からの生命体と契約して仮面ライダーとなるのだが、二人羽織りのような感じで掛け合いが面白い。
史上最弱の主人公設定も興味深い。普段の会話は物凄く弱弱しい。いろんなイマジンに取り憑かれていろんなキャラになるそうだ。
シリーズ構成やメインの脚本が女性というのも珍しい(と思ったがそうでもないようだ)。一話だけしか観てないが、シナリオはかなり高レベルだと思われる。
ついでに最近の特撮ものへ苦言を呈しておこう。キャスティングに同じ年齢層の俳優ばかり集めてはだめだ。学生の自主制作じゃないんだから。一人でもいいからベテランを入れないと、芝居も画面も単調になってしまう。前作のライダーがそうだった。
その点電王は、石丸謙次郎さんが出ておられるので、かなり渋めにまとまっている。
あまり観る機会がないが、久しぶりに私のメガネに適った特撮ものである。

怪奇大作戦セカンドファイル#3「人食い樹」

怪奇大作戦の代表的なプロットは、メカニカルなもの、心霊的なものともう一つ、生物的なものがある。第3話はその生物的なプロットだ。
しかし今回はあまりにも脚本が稚拙すぎる。テーマ優先で仕掛けが破綻してしまっている。
細かいところは確かにお粗末だが、中田秀夫のそれらしい演出はバイオホラーの雰囲気を盛り上げる。
不可解な現象から社会への問題提起は、前シリーズでも踏襲されている。だが、それ以上の怪奇が、我々の身近に存在している。
それは、昨今のニュースが示していることだ。
ああ、なんて恐ろしい。