BSアニメ夜話ガンダム特集

「新喜劇フー!」が見たかったので、終わってからチャンネルを合わせたら「哀戦士」のエンディングだった。どの道次の日は仕事だったのであまり見られない。
「哀戦士」が終わると、BSアニメ夜話のトークパートになった。モビルスーツ編だそうだ。確かに、夜通し喋れるネタには違いない。ちなみに、私が一番好きなのは出席者に不評だったゴッグだ。
土田晃之がガンダム好きとは知らなかった。MS IN ACTIONのCMに出演しているところを見ると、それもうなづける。ちなみに、彼が一番好きだという「哀戦士編」のジャブロー降下シーン、実は私も一番好きである。
ジャブローの対空砲火を恐れて「降りられるのかよーっ!」と絶叫するパイロット。あのシーンこそ、ガンダムが戦争アニメとしての一端を覗かせたシーンである。
そうか、DVDは録音しなおしているから劇場版とだいぶ違うのか。買うのやめよ。意味ねーな。
岡田氏と板野氏がガンダムとスポンサーについて少し触れられていたが、あれはガンダムに限らず全てのテレビアニメ、テレビ番組に言えることだ。ダンバインが地上に出たのも、ガンダムと名の付く作品が延々と制作され続けるのも、全てスポンサーの御業なのである。
富野氏は、スポンサーと視聴者の狭間で物語をやりくりしなければならない。時には、出したくないものを出さなくてはならないこともあるのだ。
しかし、それが功を奏し、ガンダムの世界はここまで広がった。放送が夏だから水中MSを出したというのは私も知らなかった。もし制作側にいやに理解のあるスポンサーだったら、ドムもゲルググも出なかっただろう。
ガンダム世代が産業の中核を担うようになってきた。モビルスーツの実体化もそう遠くはないだろう。「めぐいあい宇宙」はとりあえずビデオにとって、これも大好きなシーンの一つ、キャメル艦隊戦を見て寝た。

男女7人秋物語

パート2がオリジナルを上回ることはあり得ない。あり得ないが、このドラマは続編としてオリジナルを上回る完成度を持った。
オープニングからしてそれを物語っている。35mmフィルムで撮影された、7人の登場人物の後姿。これから起こる新たな物語を予感させる。私は放送当時芸術系の大学にいたのだが、あのオープニングすごいなという話題で持ちきりであった。
前作では持て余した感のあるキャラクターだったが、続編ということで関係説明が省けた分、7人が完璧にシナリオの上を転がった。
続編ならではの前作パロディ(コインランドリーのチンピラ)や、今はもう廃止されてしまった川崎-木更津間のフェリーでのロケ。前作は川だったが、今度は東京湾を跨いだ恋物語が展開される。
鎌田氏は、続編など全く作る気はなかったらしい。ところが、視聴者からの素朴な質問に答える形で、続編の制作が決定したそうだ。
結果として、男女7人シリーズは後にトレンディドラマという若者の恋愛ドラマのパイオニアとなり、良くも悪くもいろんなテレビドラマが制作されていった。
やはり、上っ面だけのドラマは消え、シナリオの優れた作品は後世に残る。たった1クールの放送で、これだけ人々の心に残っているテレビドラマは、他にないだろう。

男女7人夏物語

携帯はおろか、ポケベルすらなかった時代のテレビドラマである。放送されてからもう20年近くになる。そして20年近く経ってもなお、人気の高いテレビドラマである。
連続ドラマとしては初主演となった明石家さんま、後に伴侶となる大竹しのぶを中心に、奥田瑛二、片岡鶴太郎、池上季美子、賀来千香子、小川みどりが出演している。
日本屈指の名脚本家・鎌田敏夫が描く7人の恋物語は、決してドロドロせず、20代後半から30代にかけての大人の恋をさらっと描き切る。
キャラクターの書き分けが実に明瞭で、教科書としても充分通用する見事な脚本である。
お笑い芸人が主演を張るドラマは今ではそう珍しくないが、芸人がただお笑いだけやっているのではないということを世間に知らしめた。
橋や川を恋愛のメタファーとして引用し、生活感のある東京像は地方の視聴者にもわかりやすかった。ただ、さすがの鎌田脚本をもってしてもキャラクターを一度に転がすのは6人が限界だろう。小川みどりの持て余し方がそれを示唆している。
久々にこのドラマを観て思ったが、携帯は我々の生活をかなりのレベルで激変させてくれた。携帯時代の今、こんなテレビドラマはたぶん作れないだろう。もちろん、今でも優れたテレビドラマは作れるが、携帯時代を過ごした人間に、それは任せるとしよう。

アンビリバボー心霊写真特集

こういう特集で歯痒いのは、写真の鑑定を写真家ではなく霊能者に依頼するところである。霊能者に持っていきゃ霊が写ってるって言うのは当たり前だろうが。
テレビでこういうことをやる以上、恐怖を煽って演出するのは当然である。テレビで扱っている限り、真相は永遠に解明されない。誰にも検証できないことを言い放ってギャラをもらっている霊能者にはもっと腹立つ。
というわけで、私はプロのカメラマンでもなんでもないが、それなりの知識はあるので、アンチ心霊写真という立場で解説していきたいと思う。ただし、私でもわからないものはあることを最初に言っておく。恵里佳ちゃんえらいショートにしたな。奈美悦子かと思った。
1:ベランダに浮かぶ顔
こういうパターンはよくある。つまり、顔に見ようと思えば見えるいちゃもん型だ。青白く顔のように見える部分は、周りの背景と同化しており、あれはたまたま顔のように見えるだけである。人間は、顔や人間のシルエットなど、自分の理解できるものを探して物を見る傾向がある。ふくろうかわいいね。
2:からみつく手
手もよくある心霊写真のモチーフである。この写真はどうもインパクトに欠けるし、よくわからない。大きいからといって大人の手と断言するところでもう間違いをおかしている。私には別におかしな写真とは思えないのだが。指が8本あるとか、全部左手とか、それくらいのものを出して欲しい。
3:覗き込むもの
うーん、これはちょっと怖いね。ちょっと見難いが光線の具合からすると、実像ではっきりとそこに存在する物体が写っている。これはもうその場所に誰かがいたとしか言い様がない。帽子を被っているところも大きなポイントである。これが幽霊なら、律儀な幽霊である。誰もいるはずがないと撮影者は言うが、シャッターを押した一瞬のことなど人はそう鮮明に覚えていない。障子の陰になっているところや、顔のある高さからしても、そこに顔があって不自然な位置ではない。心霊写真ではないと言い切れないが、心霊写真とも言い切れない。五分五分。さすがトリ。
4:メキシコのUFOビデオ
私は真っ先に鳥だと思ったが、番組中に一切鳥という言葉は聞かれなかった。専門家や出演者も含めてだ。これは鳥を避けているとしか思えない。たぶん鳥。
2年ぶりの企画でこの程度だったとは、恐らくロクな写真がこなかったのだろう。というより、デジカメの普及で今後も心霊写真は激減すると思う。ちょっと寂しい話ではあるが。
物足りない方はこちら。本物もあったりする。

NONFIX

私が最初に観たのは、「放送禁止歌」という回だった。私は常々、ドキュメンタリーというものは作り手の意思が介在している以上、演出が加えられたコンテンツであり、客観的な事実、事の真相を伝え得ないと思っていた。
それは、この番組を観て大きく変わった。ドキュメンタリーはノンフィクションではなく、命題に対する作り手の考えや問題提起であり、結論は受け手に委ねられるものであった。
民放としてはかなり勇気の要る、ある意味相当ぶっ飛んだコンテンツを制作しているのが、フジテレビのNONFIXというセクションである。
ただ、思想的に全くバイアスがないかと言えば、やはりそこは少々右に傾いているのかもしれない。私が観た「放送禁止歌」は、放送禁止歌が生まれた背景を辿って、解同本部にまで乗り込んだのだ。ブッシュがバクダッドに行くようなものである。
もちろん、思想に絡んだものばかりではなく、いろんな題材で番組はつくられている。関東ローカルなのでなかなか観られないが、地方局の編成担当はぜひなんとかしていただきたい。
http://www.fujitv.co.jp/nonfix/index2.html