藤田まことさんの遺作が、必殺でもはぐれ刑事でもなく、音川刑事だということに、私は少なからず嬉しさを感じる。
元はといえば、はぐれ刑事のベースになったのは、この音川刑事なのだ(と思う)。
傘を忘れたばっかりに愛妻を失ってから、常に折り畳み傘を持ち歩く音川刑事。
クロード・チアリのギターが流れ、音川刑事がユリカモメの飛び交う鴨川を歩けば、もうそれだけでお腹いっぱいだ。
太秦との関わりも深い藤田さんだけあって、このシリーズも長年松竹京都映画が製作してきた。京都を知り尽くしたスタッフが映像を作り上げる。
欲を言えば、フィルムで撮って欲しかった。京都映画の真髄はフィルムからビデオに替わった時点で、実は潰えている。京都殺人案内を、あんなかっちりしたビデオで、ましてやHDなんかで撮られてはその魅力は半減する。
必殺もそうだが、あの光と影の演出は、光学的に処理するフィルムの曖昧さだけが出せる味わいで、電気的に画面の隅々までクリアに表現するビデオでは無理なのだ。
だが、時代はそうも言ってられない。今後、テレビドラマがフィルムで撮られることは、もうないだろう。
昭和の名優とともに、その映像もまた、三途の向こうへ流れていく。
音川さん、折り畳み傘は、持っていったのだろうか。合掌。
カテゴリー: テレビ
3Dテレビのアンケート結果
こないだやった3Dテレビのアンケート、結果は8割以上がいらないというものだった。
メーカーと消費者の温度差はかなりあるようだ。
現状ではコンテンツが皆無だし、放送業界が本腰を入れれば需要も増えるのだろうが、果たしてそううまくいくかどうか。
3Dテレビというのは、ゴーグルをつけてじっと画面を見る必要がある。当然目が疲れるだろうし、食卓を囲んで見るものでもない。
ゲーム業界でも、3Dハードはあるにはあった。だがそれは、物珍しさ以外の何物でもなかった。
何かこう、昨今のマスコミの異常な盛り上がり様は気になるところだ。もしかして放送業界もグルか?盛り上げて需要に結びつけようというつもりなのだろうか。
地デジ化でひーひー音を上げている消費者に、そんな余裕はさらさらない。
こんなん見つけた
ある日のスーパーサプライズにて
ゴールデンの生放送はコストがかからないとか言って大規模な改編をしながら、結局VTR構成の日もあるようになった日テレのスーパーサプライズ。
まあ数字的には成功し、TBSのニュースと違ってそれなりに結果は出しているようだ。
ちょっと気になることがあった。
最近、番組の出演者がCMをするのが増えている。番組のセットを使い、番組の雰囲気のまま、その番組の出演者がスポンサーの商品のCMをやるのだ。一応VTR撮りだが、見ているこっちは生CMみたいな感じだ。
スーパーサプライズもそんな感じでMCの山瀬まみらへんがCMをやるのだが、この間、それに馬場典子アナが出ていた。
一瞬私は目を疑った。局アナが、番宣以外の一企業のCMに出られるわけがない。それとも、こういう形式のCMならいいのだろうか。
素人目にちょっとびっくりした。まあ、たぶん大丈夫なのだと思うが、それなら線引きがちょっと曖昧な気がしないでもない。
クロスオーナーシップは崩せるか
みなさんは、クロスオーナーシップという言葉を聞いたことがあるだろうか。
特定資本がメディアを複数持つことを指す言葉だ。例えば、読売新聞と日本テレビ、朝日新聞とテレビ朝日のように、新聞社がテレビ局やラジオ局を持つことを言うのだ。
海外では、このクロスオーナーシップはほとんど禁止されている。それは、メディアによる思想や言論統制を規制するためだ。
ところが日本では、新聞、テレビ、ラジオの三事業支配は禁止されているものの、その基準は曖昧で、放置状態なのが現状だ。
それを、総務省が規制しようという動きが出ている。
恐らくこの先、この言葉を新聞やテレビで目に耳にする機会はないだろう。日本のマスコミは、このクロスオーナーシップの規制には反対しているからだ。
古館キャスターも、麻央キャスターも、ご存命であれば筑紫さんも、この話題に触れることは決してないだろう(筑紫さんはもしかすると違ったかも)。
私が以前、テレビにも地方主権をとかいった記事を書いたが、それはこのクロスオーナーシップに大いに関係している。
同一資本がメディアを牛耳っているおかげで、結局地方も東京のいいなりになるしかなく、地方色や独自性が失われているのだ。
マスコミに自浄を求めても所詮無理な話。しかし、我々はネットというメディアも抱えている。
ネットがクロスオーナーシップを切り崩す起爆剤になれば、事態も少しは動くのではないだろうか。
ついでに、メディアがプロスポーツを持つのもやめてほしい。な、ジャイアンツと読売さんよ。
ハンチョウやるじゃない
期待していた神田正輝さんゲストの第2話、残念ながらM59の出番はなかったが、久しぶりにドック刑事を垣間見たような気がした。
で、ハンチョウこと、佐々木蔵之介さん、まったくノーマークだったが銃の扱いはかなりいい。
銃はたぶん92のエリート。ブリガディアスライドが見える。ホルスターはホリゾンタルタイプだ。これは胸板が厚くない日本人には似合わないんだが、勇気の要るチョイスだ。
脱ガンアクションが主流な今の刑事ものにしては、びっくりするくらい銃が出てくる。スタッフブログには他にPPKとチーフも写っている。
恐らくハンチョウ以外のガンアクションはあまり出てこないと思うが、ソフトアクションに食傷気味な諸兄は、一度ご覧いただきたい。
テロップ入りドラマの是非
TBSの日曜劇場の枠で「特上カバチ!!」というドラマが始まった。
この番組、なんとドラマなのにいわゆるテロップが入るのだ。
それだけではない。ドラマ中にクイズを出し、正解者から抽選で番組のラストに出演者からの生電話があるというのだ。
プロデューサー曰く、録画視聴でなく生で視聴してもらうための試み、だそうだ。
百歩譲ってその試みはよしとしても、なぜ伝統のあるこの日曜劇場の枠なのか。金曜ドラマでもいいじゃないか。
前クールまで「仁」を観ていた視聴者は、恐らく一気にチャンネルを替えたと思う。
テロップは、演出上、アシスト的によく使われる。強調したいときや補足したいときに、画面に文字を出すことで効果的に情報を伝えるのだ。
ドラマでそのテロップを使うとなると、必然的にコメディになる。まさか「不毛地帯」でテロップは出せまい。
となると、ドラマはバラエティ色が強くなって、凝ったプロットが組めず、シナリオがぞんざいになってしまう危険性がある。
つまり、私のようなうがった見方をする視聴者は、ドラマがつまらんからテロップで補強しているのかと思ってしまうのだ。
まあ、マイナスばかりでもない。視聴者が出演者とコンタクトを取れるというのは魅力だ。好きな俳優、女優が出ていれば尚更のこと。
もっと双方向性を出して、例えばドラマの進行中に視聴者に選択肢を提示して、多かった選択肢のほうにシナリオが進行する、というのも面白いかもしれない。ま、できるもんならやってみな。
テレビにも地方分権を
情報番組をぼんやり見ていると、おいしい食べ物の店紹介があった。
東京のそんなとこ紹介されても行けへんがな。全国ネットで放送する内容か?
やはりテレビにも地方分権は必要だ。今のように、東京をキー局にしたネット方式ではだめだ。
民放共同で全国ネット用のテレビ局を一つ作る。
ニュースなど、公共性が高いものはそこで制作。他の番組は全て地方で制作する。
よくできた番組は、その全国ネット用に売って、営業をかける。地方各局は、おもしろそうな番組があれば、買ってきて地元で放送。
テレビ局にももっと地域性があってもいい。
昔から創り上げてきたシステムなので、今更変えるのは無理だろう。
そこで、インターネットだ。ネットの放送局なら、できるんじゃないかな。
携帯レベルでインフラを整備すれば、新聞のチラシみたいな商店街のセール情報が携帯で配信されてくるとか。
なんか文章も考えもまとまってないが、とにかく、今のテレビはいずれ無くなる。このままでは。