NASA、有人月探査打ち切り

もちろん不況の影響もあるかもしれないが、仮に景気がよくなったとして、月探査は再開されるだろうか。
答えは、たぶんノーだ。
21世紀になって、夢や希望で宇宙開発を行う時代ではなくなった。そこには必ずビジネスが必要なのだ。
ビジネスで宇宙開発をやるにしても、莫大な予算が必要になる。そこまでして、果たしてビッグマネーが転がってくるのだろうか。
そんなガッツのある投資家は世界中探してもいないだろう。
ただ一つ、希望があるとしたら、中国だ。
今は他国に援助されながらロケットを飛ばす不貞な国だが、彼らが本気になれば、あっという間に米ソのレベルにまで達するだろう。もちろん、技術的な支援は必要だ。
もしかすると、資本主義は宇宙開発に向かないのかもしれない。アメリカがこんな状況なのに比べて、ロシアは派手な実績はないものの、地味ながら宇宙開発を続けて、コンスタントに成果を挙げている。
いろいろな問題はあるが、宇宙開発は、国境や主義思想を超えたところにあると思いたい。
世界各国のパワーバランスなど、宇宙から見れば塵芥にも満たないのだから。

がんばれソユーズ

日本人宇宙飛行士、野口聡一さんを乗せたソユーズTMA-17が、バイコヌールから打ち上げられた。ISSとドッキングしてミッションに就く予定だ。
シャトルが来年にも退役すれば、宇宙に人を運ぶ唯一の手段となる。
開発されて半世紀、未だに現役で信頼性の高い打ち上げシステムは素晴らしいの一語だ。改めてロシアの凄さというか、底力を感じさせてくれる。
月こそアメリカに先を越されたものの、人類で最初に宇宙の有人飛行をしたのはロシアだ。
冷戦構造が招いた宇宙開発競争だが、宇宙に国境も争いもない。
ISSの完成はもう10年も遅れている。しばらくはソユーズにがんばってもらって、我が国も事業仕分けに負けずに後を追いたい。

ふたご座流星群どうしよう

どうも冬場の観測は気が引ける。おまけに寒気も来そうだし。
デジカメ潰してもなんなので、今回は見送るか。雨降れ、曇れ。逆てるてるぼうず出したろ。
ピークは14日の14時なので、観測する方は13日夜から14日明け方か、14日の夕暮れ以降がいい。
新月近いので条件は最良だ。都市部でも時間2、30は見られると思う。
くれぐれも寒さ対策は万全に。

Orionids 2009

テレビで言っている一時間に40個とか50個とかいう数字は、星のよく見えるところで全天計測した最大値であって、都市部では半分以下と考えたほうがいい。
それと、明け方になるほど観測数が増えるというのは、流れる星の数が多くなるのではなくて、輻射点高度が上がることにより見える数が増えるのであって、よほどの突発群でない限り同じように流れている。
つまり、輻射点高度が低いときは、流れている星の半分は地平線の下なのだ。
今回も、がっかりした人は多いと思う。ただ、他にもっとよく見える流星群もあるわけで、そっちのほうがオススメだ。
さて、今年は観測条件が最高なので二年ぶりに赴いたわけだが、季節外れの黄砂にも悩まされ、結局辛うじて1枚だけ撮影できた。あまりお見せできるようなものではないので、横のメニューの画像掲示板で見ていただきたい。
今回、検索で来られた方も多いので、ちょっと参考になるようなことを書いておこう。
まず、私の使っているカメラは、キャノンのPowerShotA540。マニュアル撮影モードで、ISO800、絞り開放、シャッタースピードは15秒。カスタムセルフタイマーで、10枚連続撮るように設定してある。これ結構便利だ。
セルフタイマーは、シャッターを押すときのブレを防止できるので推奨する。
三脚は必須だ。水準器がついているような高価なものはいらない。カメラが安定すればいい。あとは、防寒具(多めに)、暖かい飲み物、小腹が空いた時のお菓子、冬場ならカイロ、カイロは自分に使うだけでなく、カメラの保温にも使用する。
冬場はバッテリーの減りが早いので、予備は常にポケットの中で暖め、雲が出てきて撮影を休止する場合は、取り出して暖めておく。
A540は、単三型ニッケル水素電池を2本使う。一応、うちには全部で8本あるので、これだけあれば冬場でも夜通しいける。
さて、カメラをどこに向けるかだが、もちろんどこに流れるかわからないので、輻射点付近にとりあえず置いてみよう。
輻射点付近では、流れる数は多くなるが、流星の軌跡が短い。輻射点から離れると、大きな流星が見られるが、今度は数が減る。これだけは運だ。
流星群は冬場に多いので、防寒対策はオーバーなくらいにやってほしい。寒風吹きすさぶ中、4時間5時間も外に居るわけだから(みなさんは小一時間くらいで)、油断すると間違いなく風邪をひく。
今回、マスクが暖かいことに気付いた。カバンの中にたまたまあったのだが、顔が温かくなって助かった。傍から見れば怪しさ満点だ。
あと、これは実際にあったことだが、お巡りさんに職質されることがある。その場合、臆することなくちゃんと説明しよう。
オリオン座流星群で満足できなかった人は、11月のしし座、12月のふたご座と、まだまだいい条件で観測できる流星群があるので、そちらをぜひご覧いただきたい。

21日はオリオン座流星群

近年活発に見えている流星群の一つが、21日夜に極大を迎える。
太陽系に回帰している彗星が通るときに残していったゴミが、地球の公転軌道と接触するときに起こるのが流星群である。
このオリオン座流星群は、その母天体があのハレー彗星で、なんと2000年以上前に残していったゴミ(ダストトレイル)が地球の公転軌道と接触しているらしく、それが近年の活発さの要因だそうだ。
今年の条件は最高で、天気さえよければ一晩中どこでも見られる。
もちろんデジカメ撮影を予定しているので、画像が撮れたらご紹介したい。

H-IIB

シャトル退役が来年に迫っているとは知らなかった。
退役以降、宇宙への有人飛行は事実上ソユーズのみとなる。この不況で後継機開発も滞っているのだろう。テストはおろか、開発の噂すら聞こえてこない。
先日打ち上げに成功したH-IIBは、シャトルが退役すれば大型の機材を宇宙へ運べる唯一の手段となるだけに、開発への期待が大きい。
H-IIAとの違いは、1段目の液体型ロケットエンジンが二基になり、周りについている固体型のロケットブースターが四基になった。
ISSへの実験棟設置にも成功し、今後ますます宇宙開発のプレゼンスを浸透させるためにも、安定した打ち上げに期待したい。