私は、竹中直人の舞台に何を期待しているのだろうか。
今まで3回、舞台を観てきたが、その答えは見出せなかった。そして今回、4回目の観劇となった。
答えは出なかったが、一つだけわかったことがあった。
5回目はない、ということだ。
やはり竹中さんには笑いを追及してほしい。そういう舞台が観たい。
別荘のリビングのような舞台。下手に階段、中央に低いテーブル、周りにソファやロッキングチェアなど。奥の上手側に窓。
マチネーのせいか、年齢層が高い。杖をついたおばちゃんのグループもいた。
そんな客層に、台詞中心のストレートプレイはきつい。おまけに、ストーリーテラーの役者さんの滑舌が悪い。
事件も起きない、人も死なない。プロットの起伏もなく、延々と言い回しをブローアップさせた台詞が続く。もちろん、笑いはない。
それはそれでありだが、竹中直人の存在意義がない。
唯一の救いは、中嶋朋子の背中が色っぽかったことだ。
「三人の女」と題するなら、三人の女以外は竹中さんだけで充分だ。そういうプロットが観たかった。
これまで十数本舞台を観てきたが、アンコールがなかった舞台は初めてだ。
もう一度言う。5回目はない。このままでは。
カテゴリー: 演劇
どんまいマインド
確かにみっちょん目当てでチケットを取ったが、よくよく見れば西村雅彦さんの名前もある。
古畑でメジャーになった頃、深夜のテレビで舞台中継をやっていて釘付けになって以来、ずっと舞台を観たいと思っていた。
ついでで申し訳ないが、楽しみである。
シアターBRAVA!も年に一度くらいは行くようになった。シアタードラマシティより少し小さい分、見やすい。
開演が遅いせいなのか、男率が多かった。まさかみっちょん目当てか、それとも市川由衣目当てか。たぶん後者だろうけど。
シンプルな建物風セット。真ん中に人力で動く扉のような仕掛け。
西村さんの長台詞で幕が開く。すげえなあ。
シナリオがかなり書き換わっているようで、そのせいかあまりプロットに厚みがない。取り立てて問題提起もなく、予定調和で終わってしまった。
チケットを取ったときに書いてあったプロットのほうが面白そうだったのだが。
さてさて、みっちょんである。しかし、どこで出てきたのかわからなかった。それもそのはず、あのかわいかったショートカットが、また爆発パーマになっていた。なんでやねん!
確かだいぶ舞台経験はあったと思う。なので芝居は俳優さんにヒケをとらない。一番の笑かしもみっちょんだった。
脇くんはキャラがキャラなので難しいと思うが、元気よくがんばっていた。もうちょっと弾けてもいいくらいだ。
市川由衣は初舞台だそうだ。しかし、それを思わせないくらい舞台度胸もよく、演者の中で一番声が通っていた。グラビアを卒業しても充分やっていけるぞ。
中丸さんはずっと三の線だった。テレビでは理屈っぽい上司とか、最後の最後で殺される共犯者とかのイメージがあるが、全く違う。やりやすそうに見えたので、たぶんあれが地なのだろう。
金子くんは二役のシーンで弾けていたのがよかった。嫁さんが見に来ていたそうで、美由紀さんにバラされてマジ照れしていた。
その美由紀さん、あんなにスタイルよかったっけなあ。リクルートスーツで出てきたときには思わず見入ってしまった。探偵物語のド下手な関西弁はもう許しておこう。おちゃめなキャラがかわいかった。
やはり西村さんの芝居は三谷演出で観るべきものなのであろう。それが私の観たい西村雅彦であり、それが彼の真骨頂だと思う。
カーテンコールはみんな揃って挨拶。
シナリオは残念だが、キャストに救われた。地味な舞台ながら、得るものはあったと思いたい。
みっちょおーん、髪型戻してくれー。
イッセー尾形のこれからの生活 2008 春の新ネタ in 京都
今年もシティボーイズとはしごである。ちょっときついw
・フラダンス
フラダンス教室に通う広島のおばあちゃん。時間より早く来たのか、教室の外で練習をし始める。方言ネタの割合が増えてきた。
・パーキング
続いて方言ネタ。しかも京都。パーキングで誰かを待っているツナギの男。キャデラックを当てこすったらしいので持ち主に謝ろうとしている。そこへ持ち主が。だんだんボロを出していく王道パターン。
・動物園
動物園にやってきた若い女性。一緒にいるのは女の子とその父親。再婚へ向けてのデートらしい。女の子の気を懸命に引こうとする。しかしこうまで老若男女問わずによく演じ分けられるものだ。すごい。
・映画館
映画を観て自分が泣いたのを見て笑った男にいちゃもんをつけるヤクザものの男。しかしだんだん相手の素性に同情し始める。パーキングとこれは、イッセーさんが映画のロケで大阪や京都に来たときにつくったらしい。
・立体落語
老人ホームの慰問に来たうだつの上がらない落語家。妙な間と話が逸れるのがたまにきず。独特の間がたっぷり楽しめる。
・社宅
同じ社宅に住む部下のところへおじゃまする上司。なぜか何気ない話をしたがって困らせる。一瞬だけ聞き逃したところがシナリオの重要なところだったようで、最後まで本筋がわからなかった。反省。まだ前日のことを引きずっているのよ。
・おじい
昔話をするおじい。幻の魚を釣るべく奮闘する。ショートネタ。
・日比谷公園ライブ
確かこのキャラはベランダライブの女の子。今日は日比谷公園でバンジョー片手にいつものライブ。
講演の案内に、新旧織り交ぜて、みたいな行があったので昔のネタが観られるかと思ったら、全部新作だった。まあそれもよし。
タイトルが今年から「これからの生活」になっている。次のステップへ、という意味だろうか。
どんな「これから」を見せてくれるのか、まだまだイッセー尾形がとまらないのは確かだ。
May.10,2008 京都府立文化芸術会館
シティボーイズミックス・オペレッタ ロータスとピエーレ
ものすごくテンションの下がる出来事があったので、あまり楽しめなかった。もったいない。観られたことが奇跡かもしれない。
斉木さんの鼻歌が開演前に流れる。どうせえっちゅうねん。
・オペレッタ
ピエーレを歌いながら探す四人。大竹さん相変わらず恥ずかしそう。なかなか出てこないピエーレ。アトム風のピエールさん登場。
オープニングは紙をびりびり。
・軍服サラリーマン
横並びで仕事をしているサラリーマン。なかなか集中できない。きたろうさんがピエールさんにプレゼントしたのは軍服。みんなの分もあるということで着替える。
・前衛音楽
前衛音楽家がスタジオに集まって作品を発表している。小難しい言い回しで作品を批評する。
・山崎さん一家
ある港町に元上司を尋ねる男。その男の息子や妻は、どう見ても初老の男。だがそれを受け入れてみることにした男は・・・。
・鳥の部隊
軍服の使いまわし。斉木隊長から、攻撃や防御に使う鳥のポーズを教わる。
・ルームシェア
ルームシェアで住んでいる学生らしき男二人。一人は真面目にバイトをしているが、もう一人は怪しい気功術で金儲けをしている。このコントのネタ、全てゆうじさんの実話らしい。
・仮面トークショー
仮面舞踏会のように仮面をつけて、テーマに沿って言いたい放題のトークショー。
・底の知れない男となりふり構わぬ男
最近恒例になってきた、最後のドタバタネタ。しかし全員キャラクターが薄かった。もったいない。
私のテンションの低さを差し引いても、今年のネタは笑いが薄かった。現に東京ではかなり受けが悪かったようで、エンディングで大竹さんがマジトーンで愚痴っていた。
毎年必ず大笑いポイントがあるが、今年はなかった。他にも、ゆうじさんの見せ場や、斉木さんのキャラものなどもなかった。ピエールさんが食ったのか。
ピエールさんは初舞台だそうだが、電気のライブでよくバカをやっておられるので舞台度胸はさすがだ。
みなさんだいぶお年を召された。さすがに昔のように飛んだり跳ねたりはできない。それでもシティボーイズでしかできないことはまだヤマほどあるので、誰か死ぬまでは続けてほしい。
客電が付いてからまた斉木さんの鼻歌が流れた。帰りにくいわ。
May.9,2008 大阪:シアタードラマシティ
ナイロン100℃ 31st Session 「わが闇」
今年はナイロンで幕開けだ。新作は見損ねたりやなんやで初になる。
仕事があったのでスーツのままでシアターBRAVAへ、列は真ん中より後ろで最悪だが、なぜか前の席が空いている。微妙にラッキーだ。
しかしこの位置では顔はほとんど見えない。幕間に投影される字幕も全く読めなかった。まあそれは私の乱視のせいだが。
照明がかなり凝っている。照明というか、あれはプロジェクターかな。場面展開に効果的に使われていた。
「わが闇」というタイトルからして、明るい話ではないなと思っていた。ケラさんが明るくない話を書くのも珍しいのではないだろうか。
小説家の父と同じ道を歩む娘、その姉妹二人それぞれの心の葛藤を描いている。
ただ、ラストのやや締りの無さ感は、この脚本が時間的にかなりギリギリに書き上げられていた証明でもある。僭越ながら同じ物書きとして共感したところだ。
松永さんは実は「フローズンビーチ」以来だ。ファンだとかなんとかいいながら、まだたった二回しか観ていない。前半は精神を病んだ母親、後半は大阪弁が実に憎たらしい悪徳プロデューサーを演じた。
声が好きだと公言しているだけに、あのニセ喘ぎ声にはやられた。ちょっとヤバかったぞ。
客演は、岡田義徳、坂井真紀、長谷川朝晴。坂井真紀ちゃんはたぶん二度目の舞台拝見。下着姿もぼやけて見えん。
笑いベースではない芝居にもかかわらず、三時間越えの弛みを全く感じさせてくれない演出にはもう何も言うことはない。
今年はどれだけ観られるだろうか。
Jan.13,2008 大阪:シアターBRAVA!
犯さん哉
今年最後の観劇となる。思えば二月に一度のペースで舞台を観ていることになる。映画と違い、やはり生ものの舞台はいい。
神戸を追い出されてから、仕事場が梅田になって、シアタードラマシティも近い。なんかやーな感じだが、これはこれで土日や下手すりゃマチネーも観に行けることになる。モノは考えようだ。
吉野家で久しぶりの鍋を食らって劇場へ。
古田新太さんは、大学の先輩である。もちろんお会いしたことは一度もないが、私が住んでいた学生寮の部屋の壁に、”古田新太ここにあり”という落書きがあったのだ。
以来、テレビなどで拝見はしていたが、舞台は初めてである。
さて、ケラさんと古田さんでどう動くのか。客演も座長クラスなので楽しみだ。4列目、左は通路、右は空席。史上最高のコンディションである。
中央に出演者8人のイラスト。幕が開くと同じように並んで顔をつくっている。全員揃ってのオープニング。色とりどりの学ランで並ぶ。
全三部構成、休憩なし、中央に回り舞台、上手に階段と高台、PJ投影は中央と高台。
人類滅亡をなんとなく夢見ている古田少年の半生記、といったところか。結局第一部通じて古田さんはパンツ一丁であった。
大倉さんの壊れ具合にハマる。ボケるのではなく、壊れるのだ。
それにしても中越さんは細い。割り箸のようだ。細いし声もいい。しかもかわいい。
犬山さんのおばちゃんはほとんど時効警察のそれである。また来年もやるのかな。
姜くんも見事なガーター姿を披露。クセにならなければいいが。客席にちらほら見えるおばさまはもしかして姜くん目当てか。
そろそろ疲れてくる3部目でテンポが上がる。終演間近、古田さん以外のみんなが突然客席へ。しかも二回。私の真横をどたどたと走りすぎる。おおっ。いじられたお客さんもいたみたいで、20列目辺りは危険だ。
カーテンコールは4回。古田さん、宝塚風に涙を拭い去る。
東京公演では、ナンセンスな内容に賛否が分かれているらしい。東京の客は、ケラ+古田新太に何を期待したのだろうか。人が多過ぎて、いろんなものが飽和しているに違いない。劇中の夢ではないが、適当に間引いたほうがいいのかもしれない。
まさか、ナンセンスが理解できないくらい、世間は真っ当になってしまったとでも言うのか。
まあ確かに、あのラストは人によっては、だが。
来年はナイロン本公演から、少しずつ触手を広げてみたいと思う。
で、ケラさん、シティボーイズやらへん?
Nov.1,2007 大阪:シアタードラマシティ
メルシィ!僕ぅ?~我が人生は薔薇色に~
いやあ面白かった。久しぶりに死ぬほど笑った。
笑いの神、明石家さんまをこの肉眼で初めて見るのだが、実にシャープな感じだ。しかしそれにしてもよく回る口だ。淀みも弛みも全くない。
話の本筋とは別に笑いどころがちゃんと設けてあって、そこでこれでもかと笑わせてくれる。
冒頭、一通り話を流してからぬっくんと、例の妄想ネタを延々と30分もやってのけた。客席が一気に暖まる。
共演者達も次々と犠牲?になる。松澤さんは音ネタで散々いじられ、客にもいじられる始末。秋本さんも1対1で島田珠代である。
ラスト近くの重要なシーンでは、さんまさんの台詞がおかしくなり、舞台上にいた演者全員が笑いをこらえきれずに横を向いてしまった。思わず吹きだした人もいたほどだ。
KABA.ちゃん振り付けのダンスシーンも程よいアクセントになっている。カーテンコールの〆は全員でダンスだった。
チケ代は今までの最高額だったが、これだけ笑わせてもらえるのなら満足である。
ほんまにおもろかった。
Jul.17,2007 大阪:シアタードラマシティ