確か笑金で見たのが最初だと思う。出オチのパッとせん芸人がまた出てきたなと思ったが、デーモン閣下のような客を見下す口調の山田ルイ53世、声もいいし喋りにメリハリがある。
どこにでもあるようなオチのコントをやったあとに、客いじりや自虐的な言い訳で落とすというパターンだ。キャラも付け焼刃ではなく、きっちり芸を感じる。
片手にワイングラス(中身はファンタ)を持っているので、当然動きに制限があるのだが、それはちゃんとコントに折込済みなところもなかなか素晴らしい。
あとは相方のひぐち君の処理が今後の課題だ。コント以外は、いや、ショートコンツェルンだったかな、いっそ無言でもいいと思う。
エンタには出るなよ。絶対に出るなよ。
カテゴリー: お笑い
M-1グランプリ2006
一発の笑いより、安定した笑いを取ることのほうが遥かに難しい。そういう意味では、お笑いもスポーツも同じである。
しかし、審査形式の賞レースにおいては、その一発を要求される。東京で知名度のないブラマヨがグランプリを獲ったのはその一発があったからだ。
麒麟、笑い飯、フットボールアワーは、今や安定した笑いを取る力をつけている。優勝候補とは言われているが、一発の難しさという点で、彼らは不利なのかもしれない。
プラン9、チュートリアル、アマチュアの変ホ長調。一発が出れば大逆転も可能だ。ただし、その先の補償はないが。
ポイズンガールバンド
ネタはらしくていいと思う。ガンと来るものがないが、そういう芸風なのだろう。一応テンポと盛り上がりは考えてるな。ま、当たり前か。570点。
フットボールアワー
さあ、本命登場。このネタだいぶ前のやつやけど、おもろいな。いやあ、のんちゃん全開。おもろい。640点。決勝ほぼ間違いなし。敗者復活枠にライセンス。うーん、ネタみたことないな。ラストイヤー恩赦か、品庄よりはおもろいやろ。
ザ・プラン9
カメラ泣かせのプラン9。おいおい、ちゃんと追い切れよ。やっぱり5人はきついかな。ディランやディラン。同窓会あるから舞台観にいけへんねん。597点。点数割れたね。
麒麟
麒麟くらい安定していると、こういう一発ものが難しい。ソツなくまとめたが、やはりガンとしたものがない。例え決勝に進んでも、その先は難しい。627点。
トータルテンボス
彼らも難しいところだ。確かに面白いのだが、大爆笑には至っていない。613点。
チュートリアル
出番的にはいい感じだが。去年品庄より下回ったのは明らかにミスジャッジだ。うわ、これ来たかな。冷蔵庫でこれだけ引っ張るか。664点。来たねえ。
変ホ長調
あえてネタは見てこなかった。はっきり言える事は、素人でもこのくらいのレベルがゴマンといることだ。しかし、所詮素人は素人。笑いで飯食ってる連中とは比べ物にならない。面白いとは思うが、金を払いたいとは思わない。576点。舞台度胸は買う。
笑い飯
じっくり見させてもらった。今までで一番いいと思う。626点。うわあ。麒麟よりはよかったと思うけどなあ。
ライセンス
立つ瀬ないかもね。ネタとしてはオーソドックスな構成。609点。
最終決戦
麒麟
噛むな。ネタはええし面白いんやけどね。安定した実力が裏目に出るのか。
フットボールアワー
のんちゃん喉潰すなよ。んー、勢いだけになってしまったような気がする。
チュートリアル
来たね。客が完全に期待してる。去年のブラマヨと同じや。キャラに頼らず本ネタで勝負したのは正解だった。
グランプリ:チュートリアル
常連組は今後の課題にしてほしい。充分力を出し切れてないのか、何か余計なものを背負っているのか。
M-1に出なくても面白い芸人はたくさんいるし、M-1を獲ったにもかかわらず面白くなくなった芸人もいる。
M-1にこだわるあまり、自分達の力を落とすなら、諦めるのも選択肢だ。
大切なのは、客や視聴者を笑わせ続けること。何年経っても、変わらず笑わせ続けられる芸人になること、それが大事だと思う。
おめでとう、チュートリアル。
第35回上方お笑い大賞
最優秀新人賞:NON-STYLE
ダイアンはトップ出番という不運が続くようだ。NON-STYLEは最近上り調子、二人のキャラも固まってきた。鎌鼬はもっとオチを大事に。アジアンは一番ウケのいい歌ネタ。千鳥はネタが偏ってきた。なすなかにしは悪くはなかったが客ウケがよくない。
ぶっちゃけ、秀でたコンビのいない賞レースだった。若手よ、出てくるなら今だ。
話題賞:小藪千豊
こんなものまで賞レースにしなくてもいいような気がするが。プラン9はたぶんM-1でも同じネタをかけてくるだろう。
最優秀技能賞:友近
陣内のネタで大塚愛の歌が出てくるが、著作権上問題ないのだろうか。まあいいわ。友近には何度も言うが、台詞をもっと大事にしてほしい。
大賞:メッセンジャー
黒田が勘違いして東京へ行かないことを祈る。
今年から全賞をコンペティション形式にしたが、別にしなくてもいいような気がする。大賞に至ってはノミネートが二組だし、せっかく落語にもスポットを当てておきながら、コンペにすれば落語に点が入りにくいのは見えている。
大晦日のレコード大賞と同じように、お笑いの賞も形骸化が進んできているようだ。
2006M-1決勝進出者決定
麒麟
ザ・プラン9
チュートリアル
トータルテンボス
フットボールアワー
POISON GIRL BAND
笑い飯
変ホ長調(アマチュア)
アマチュア組が決勝に残ったのは驚くべきことである。しかも女性コンビだ。全く何も知らないのでなんとも言えないが、オンエアが楽しみである。
さて、今回はフットボールアワーの再参戦に注目である。麒麟、笑い飯と共にグランプリの最有力候補だ。
プラン9の五人漫才もどこまでネタを繰ってくるか。チュートリアルは最近全国レベルでも浸透しつつある、徳井のタイ人キャラをもってくるのか。
トータルテンボス、ポイズンガールバンドは大阪吉本芸人の牙城を崩せるのか。
そして、アマチュア組がどれだけの力を見せてくれるのか。勢いに乗れば去年のブラマヨのようになることも不可能ではない。
決勝はクリスマスイブだ。
若井おさむ
いや、実のところ微妙だ。声は確かに似ているし、台詞の引用も心得ている。が、だ。
例えば、長州小力が出てきたとき、こんな間口の狭い芸がいけるのかなと思ったが、世間はめちゃめちゃ受け入れた。長州力に似ている似ていないを気にするのはマニアだけであって、本人のキャラクターとしてそれが受け入れられればそれでOKなのだ。
くじらという芸人がいる。釣り人のものまねをするあれだ。
似ている似ていないは我々に分かる術もなく、しかしついつい笑ってしまう。キャプションで掴んでおいて、何のものまねやねんという不可解さをそのまま笑いに転化しているが、なかなかできるものではない。
似てないものまねは笑えないが、似てるかどうかわからないものまねは笑いにすることができる。それを彼らは証明している。
で、若井おさむだ。
長州小力が、長州力を知らない客を笑わせたように、ガンダムを知らない客を笑わせることができるのか。
ガンダムを知っている者からすれば、ネタはよくできているし、台詞の引用もうまい。しかし、どうも内輪ウケ的な感じが否めないのは確かだ。
さて、彼は生き延びることができるのか。
第4回MBS新世代漫才アワード
:決勝進出組
矢野兵動
10$
NON-STYLE
りあるキッズ
スマイル
アジアン
2丁拳銃
とろサーモン
青空
ヒカリゴケ
にのうらご
ダイアン
12組がトーナメントで競う。
トーナメント第1回戦第1組:ダイアン-矢野兵動
実力はあるが波に乗れないダイアン。中堅からベテランの域へ、円熟味の増した矢野兵動。
思うに、ダイアンはルックスが足を引っ張っているのではないだろうか。ボケの顔がボケになっていないというか、西澤の顔は笑うと怒られるような感じさえある。
やのひょーはツカミからオーソドックスな。地味ながら最近じわじわと来ているのは確かだ。兵動のソロライブは一度見てみたい。
トップ出番という不利な点を除いたとしてもダイアンは勝てなかっただろう。矢野兵動。
トーナメント第1回戦第2組:とろサーモン-青空
ABCお笑い新人の勢いを引っ張れるかとろサーモン。アジアンの陰ではいられない青空。
正攻法で来たとろサーモン。正攻法は意外とあかんな。ボケが細切れすぎたような気がする。
青空もしばらく見ない間にうまくなったと思う。野球ネタはマイナー過ぎても客を選ぶか。
ダブルスコア近く差はついたが、私の見る限りではそうでもなかった。とろサーモン。
トーナメント第1回戦第3組:ヒカリゴケ-りあるキッズ
松竹もいい人材が育ってきたヒカリゴケ。若手ベテランりあるキッズ。
おじさんと甥というのは本当だろうか。そんなに歳が離れているようには見えないが。ネタはけっこうおもろい。やばいぞりある。
世代的には近いので感覚的には有利かも。おいおい、最近のネタは笑い飯風やぞ。
んー、ちょっと得点はおかしいかもしれない。これも僅差の感じがしたがだいぶ差がついた。りあるキッズ。
トーナメント第1回戦第4組:10$-アジアン
無冠の苦労人10$。実力派への道は近いアジアン。
ネタがこなれてるな。うーん、うまい。1回戦から勝負に出てきた感じがある。
馬場園あんまり痩せるなよ、かわいなるから。コント形式でなく、もっと喋りネタをやってくれれば。
アジアン、キャリアに惜敗。
トーナメント第1回戦第5組:にのうらご-スマイル
トリオ漫才を極められるかにのうらご。生理的に受け付けないのよごめんねスマイル。
漫才は人数が増えると難しくなる。うまくネタも割られているし、いいと思う。
スマイルはあまりに個人的先入観がひどいのでノーコメント。こういうフリークス的な笑いはどうも歓迎できない。
笑われてる笑いは受け入れるべきではない。スマイル。
トーナメント第1回戦第6組:2丁拳銃-NON-STYLE
出戻り2丁拳銃。セカンドゲッターNON-STYLE
高校生は大阪で絶好調だった時代は知らないだろう。久しぶりに見たけどやっぱりおもろい。
知名度からすればNON-STILEが有利か。知名度だけでは勝てないが。いつも衣装が同じなのは褒めておこう。
東京で中途半端に活躍して大阪戻ってきてもそんなに甘くはないぞ。NON-STYLE。
トーナメント第2回戦第1組:矢野兵動-とろサーモン
矢野兵動クラスになると同じレベルで何本もネタができるのが強みだ。当たりは小さいが確実に笑いを重ねてくるとろサーモン。
面白トークの延長ではなく、ネタとして完成されていたとろサーモンに軍配。
トーナメント第2回戦第2組:りあるキッズ-10$
最近のりあるのネタは笑い飯タイプのが多い。勢いに乗ればいいのだが失速すると怖い。10$は浜本の熱演が光る。
同じ勢いでも場数の差が出たか。10$最終へ。
トーナメント第2回戦第3組:スマイル-NON-STYLE
スマイルにネタの広がりがあるとは思えない。NON-STYLEもそろそろコンビのキャラとボケどころが定着してきたようだ。
よかった、NON-STYLE。
:決勝
舞台に何度もかけた完成されたネタの10$、本道ネタを温存していた余裕のとろサーモン、トリの優位さを生かせるかNON-STYLE。
:優勝 NON-STYLE
ネタの完成度としては10$が秀でていた。喋くりの掛け合いでヒートアップさせたNON-STYLEがうまく客席を乗せたようだ。
今後の課題として、彼らにはまだNON-STYLEの漫才というものが確立していないように思う。NON-STYLEの漫才はこれや、というものができれば、もっと上へいけるだろう。
そして忘れてはいけない、この賞は高校生が審査したものだということを。
極楽とんぼ・山本圭壱、吉本クビ
ネタがないのでポータルサイトを覗いていたら、えらいニュースが飛び込んできた。
詳細は現時点ではわからないが、未成年者との飲酒や淫らな行為によって、専属タレント契約を解除するというものだ。
当然、これはレギュラー番組の降板、そして極楽とんぼの解散を意味しているものと思われる。
しかし、これはかなり厳しい処分だ。未成年者との淫行なら、かつて板尾さんがやらかしていたし、吉本をクビになった芸人といえば、あの横山やすし以外にはいないはずだ。
「許されざる反社会的行為」と報道各社宛のファックスに記されていたそうだが、もしかすると刑事事件に及ぶようなことになるのかも知れない。
それとも、調子に乗っている若手芸人に釘を刺すためのスケープゴートなのだろうか。