アメリカGPも初見となるが、ビデオを再生したらとんでもないことになっていた。
オーバルコースとミシュランタイヤの相性が合わず、フリー走行でシュー弟が大クラッシュしてしまった。原因がタイヤにあるのは明らかだが詳細は判明せず、十周以上の走行は保証できないというのだ。
ドライバーの安全確保を考え、ミシュランは予選後のタイヤ交換を申し出たがFIAは却下。それならばとオーバルコースにシケインをつくってスピードを落としてほしいと申し出たがこれも却下。
そして、フォーメーションラップが終わろうというとき、ミシュランタイヤ勢のマシンが次々とピットイン、レースをボイコットしてしまったのだ。スタートしたのはブリジストン勢の6台のみ。なんというグランプリだろうか。
これでみなさんにも分かったと思う。FIAは、こういう組織なのだ。
あくまでもルール最優先、観客のことなど考えていない。しかも、エンターテインメントの国アメリカでこういうことをすれば、来シーズンはもうキャンセルだろう。
百歩譲って、ブリジストンに比べてオーバルのノウハウがないミシュランタイヤの技術的な怠慢だとしても、最優先に考えるべきは金を払って観に来ている観客のことであって、ドライバーの安全確保に対する要求すら撥ね付けるというのは、F1を開催してやっているというFIAの傲慢以外の何物でもない。
これで、コンコルド協定改定に関する対立は決定的となった。F1の未来が少し心配である。
十五年以上モータースポーツを観てきたが、こんなに酷いレースは見たことがない。
カテゴリー: クルマ
F1第8戦カナダGP
カナダは毎年生放送である。疲れているのでとても付き合えない。ビデオ観戦だ。山田優ちゃんかわいいなあ。
予選は琢磨が6位、母国GPのジャックが8位、シュー兄も久々2位につけた。ポールはバトンだ。
おお、なんと素晴らしいルノー2台、あっというまに1-2だ。シュー兄はスタート大失敗。琢磨も微妙。しかしスタートも機械頼りではちと興醒めだ。
ペースが今ひとつのトップフィジケラにオレのほうが速いと苛立つアロンソ。しかしチームオーダーは出せない。するとCMの間にフィジケラがトラブってリタイヤ。一番の見所が。民放の性だね。
そして今度はアロンソがウォールにヒットしてリタイヤ。シュー兄のプレッシャーに耐えたアロンソがモントーヤのプレッシャーに負けた。哀れルノー全滅。3位のバトンもシュー兄のプレッシャーに縁石飛んでウォール行き。セーフティカー導入。
各車レスダウンフォースでコーナーの挙動がナーバスな上に、舗装が改修されたサーキットで路面状況もかなりシビア。終盤は更に荒れるのか。
モントーヤがセーフティカーラン中に追い抜き、ブラックフラッグ食らって失格。そしてなんと雨が。1位ライコネン、2位シュー兄、3位トゥルーリでセーフティカーアウト。
雨はそれほど影響ないものの、ブレーキいかれてトゥルーリリタイヤ。これでフェラーリ2-3。データ取りで再スタートした琢磨もブレーキでアウト。ストップアンドゴーでかなりきついようだ。
シュー兄の猛追を振り切り、前戦の悪夢を振り払ってライコネン優勝。あれ、優ちゃんもう帰ったのか。
ABT
アプト、と読む。フォルクスワーゲン、アウディ、セアト、シュコダを扱うドイツのチューニングメーカーである。
モータースポーツでは、ドイツツーリングカー選手権(DTM)に、トヨタF1デビュー年のドライバーを務めたアラン・マクニッシュや日本でもおなじみトム・クリステンセンを擁して、アウディA4で参戦している。
他のドイツ車メーカーと比べて大衆的なVWやアウディに、カタログに載っている車はほとんどというくらいスポーツバージョンを提供している。最新のゴルフGTIももちろんラインナップされ、なんとガルウイングである。
AMGやアルピナが親メーカーに吸収されたのと違って、アプトは独自のスタンスでチューニングモデルを送り続けている。程よく過激に、しかし紳士的に、スポーツチューニングの本質を保っているのがアプトである。
F1第7戦ヨーロッパGP
ホンダ復帰、琢磨復帰のグランプリである。タイトなコーナーとストレートで構成されたニュルブルクリンク、高低差とミューの低さが悩みの種である。ストップアンドゴーも多いので、エンジンとタイヤに厳しい。
今回から一発予選に変更になった。これは改善というふうに捉えたい。台頭したウイリアムズに対し、好調ルノーは下位に沈んだ。おまけにフィジケラはグリッド上でスタックして動けず、ピットスタートとなった。
二度目のスタート、タイトな1コーナーで数台がコースアウト、ウェーバーがリタイヤした。ライコネンがトップを維持。
中盤、ストレートエンドでライコネンがコースオフ、ハイドフェルドがトップに立つ。低ミューでのハードブレーキングには細心の注意が必要だ。
トイレ行って歯磨いている間にラルフリタイヤ。終盤に入り、調子の出てきたアロンソが無用のコースオフ。やはりタイトコーナーへ続くストレートエンドでのオーバースピードだ。私もゲームでよくやる。
そのうち各マシンコースオフ続出。タイヤがかなり厳しい状態だ。ライコネンのオンボード映像。右フロントタイヤがフラットスポットで跳ねている。あと数周、もつのか。ホイールごと飛んでしまうぞ。とうとうミハエルまでコースオフ。みんなタイヤぼろぼろ。
そんなライコネンをアロンソが猛追。しかしアロンソとて万全ではない。ファイナルラップ。うわーやっぱりサス折れた。アロンソたなぼた勝利。がんばったタイヤをぽんぽんと叩く。うわーライコネンタイヤ当たってるやん。無事でよかったな。
なかなか見ごたえのあるレースだった。ニュルは抜きどころも多いのでバトルもそれなりにあった。スタート時、フィジケラがもうちょっとてこずってフォーメーションラップがもう一周あったら、なんてことは誰も考えてないだろう。
F1第6戦モナコGP
世界三大レースのトップを切って、今年もモナコがやってきた。やはりモナコは特別である。ホンダがいないのは少し残念だ。
クリーンなスタートでレース開始。狭いコース、迫るガードレール。今年はより一層無理のできない戦いになるだろう。
ミナルディがスピンオフで多重クラッシュ、大きなものではなかったがミハエルがフロントウイングを落とす。突付かれたスターウォーズ仕様のクルサードはリタイヤした。
やはり抜けないモナコ、大きな動きのないまま終盤へ。ライコネンの一人旅は続く。
激遅ラップで5位走行中のフィジケラに業を煮やしたトゥルーリが、ローズヘアピンで仕掛けるが縁石に乗り上げて自滅。ごぼう抜かれのフィジケラは一気にポイント圏外へ。
唯一の抜きどころ、ヌーベルシケインでウイリアムズの二台が相次いでアロンソをオーバーテイク、そのまま2-3フィニッシュを飾る。ライコネンは2連勝を遂げた。
独走かと思われたルノー勢に、ウイリアムズが食らいついてきた。フェラーリはやはり相変わらずである。トヨタがもう少し台頭すれば、三つ巴の面白い戦いになる。次戦はホンダ復活。FIAに一矢報いてほしい。
F1第5戦スペインGP
前戦でBARホンダのバトンのマシンに違反があったとして、FIAがいちゃもんをつけた。結果、サンマリノGPのポイント無効、2レース出場停止となった。ただでさえ対立しているFIAとフェラーリ以外のチーム、今後対立はさらに加速していくだろう。
ミナルディの2台同時スタックでセーフティカーが入ったが、その後は各マシン快調に周回を重ねる。オフシーズンのテストコースによく使われるカタロニアだけに、どのチームもデータは豊富である。しかし、今年は舗装が新しくなったようで、その辺りの影響がどう出るだろうか。
いわゆるマシンが”キマっている”状態にあると、ドライバーは実に楽である。序盤のライコネンがまさにそれだ。一回目のピットを終えても悠々のトップである。
中盤を過ぎてもライコネンの快走は続き、猛追していたシューマッハ兄はタイヤトラブルでリタイヤ、アロンソも意外にペースが上がらずにライコネンを捉えられないまま二回目のピットを終了。
終盤になってタイヤトラブルが各マシンに相次いで、結局そのままライコネンがポールトゥフィニッシュを迎えた。トヨタ勢は3-4フィニッシュで堅実にポイントを重ねた。
復調と思われたフェラーリはまた沈んだ。今年はアロンソで決まりだろうか。次回はモナコである。
フォーミュラニッポン第2戦鈴鹿
レースウィークというのは、一つのイベントとして開催されているため、メインイベントであるフォーミュラレース以外にもレースが行われる。F3であったり、カップレースであったりするのだが、それが少なからずメインレースに影響を及ぼす。それも充分に考えた上で、セッティングに気を配らなければならない。
燃料の戦略も重要である。フォーミュラニッポンは、決勝レース中の給油が義務付けられているため、少なめにスタートしてマージンを稼ぐか、たっぷり入れてできるだけ給油のロスを少なくするか。これによりマシンの重量差が生じ、追い抜きが多く見られる要素になる。
そうなると、ピットクルーは確実に作業を行う必要があり、チーム全体で一丸となってレースを戦う必要が出てくる。
F1で給油が義務付けられた頃、ハイテク時代と相俟ってピットのミスでしか順位が変わらない実につまらない時代があったが、それは逆にピットクルーにいい緊張を与え、ピット作業は重要な見所の一つとなった。今年からF1はタイヤ交換が禁止になり、レースの見所が一つ減ったのは残念である。
今回、2ピット作戦を敢行した小暮は、軽いマシンで数多くのバトルを展開し、見せ所をつくってくれた。優勝した井出も霞むほどである。2回のピット作業に加え、追い抜きもより必要なのでミスの危険性は高いが、見ている方としては面白い。
とはいえ、10位スタートから優勝した井出も素晴らしい。上位の脱落も手伝ったが、ジャンプスタートと堅実な走りで優勝を勝ち取った。
ベテラン勢の元気のなさは心配である。虎、野田は早々にリタイヤし、本山も見せ場なく埋もれてしまった。若手を引きずりおろす脅威になってほしいのだが、がんばってもらいたい。