みかつう尻餅をつく

雨が上がったので、昼から虫撮りに出かけた。
雨上がりのほうが虫の出がいい。フィールドの人の往来が少ないのと、気温の穏やかさだろうか。
歩きながら目を皿のようにして辺りをスキャンする。
最近特に乱視がひどくなったが、動くものは1ミリでも見逃さない。
いつもの巡回コースは坂が多い。上りから下りになって、緩い石段を下りていたときだ。
そこの石段は、上に人家があるので、自転車通行用に真ん中に傾斜の付いた石が置かれている。
周りを見回しながら歩いているので、足がその傾斜の付いた石に掛かっているという意識がなかった。
靴底が濡れた石で滑り、視界が一気に1.5mほど落ちた。
両手と尻を同時に着いて、すぐに起き上がった。
「危ない危ない」
そう独り言ちたが、もう既にこけている。
三点で着いたので力が分散されたのか、どこも痛いところはない。そのまま虫撮りを続行した。
尻餅をついたのは、学生時代にスケートでこけて以来だ。
そのあと、いつもより歩みが慎重になったのは言うまでもない。
雨上がりは気をつけよう。滑るぞ。