竹中直人の匙かげん3「三人の女」

私は、竹中直人の舞台に何を期待しているのだろうか。
今まで3回、舞台を観てきたが、その答えは見出せなかった。そして今回、4回目の観劇となった。
答えは出なかったが、一つだけわかったことがあった。
5回目はない、ということだ。
やはり竹中さんには笑いを追及してほしい。そういう舞台が観たい。
別荘のリビングのような舞台。下手に階段、中央に低いテーブル、周りにソファやロッキングチェアなど。奥の上手側に窓。
マチネーのせいか、年齢層が高い。杖をついたおばちゃんのグループもいた。
そんな客層に、台詞中心のストレートプレイはきつい。おまけに、ストーリーテラーの役者さんの滑舌が悪い。
事件も起きない、人も死なない。プロットの起伏もなく、延々と言い回しをブローアップさせた台詞が続く。もちろん、笑いはない。
それはそれでありだが、竹中直人の存在意義がない。
唯一の救いは、中嶋朋子の背中が色っぽかったことだ。
「三人の女」と題するなら、三人の女以外は竹中さんだけで充分だ。そういうプロットが観たかった。
これまで十数本舞台を観てきたが、アンコールがなかった舞台は初めてだ。
もう一度言う。5回目はない。このままでは。