若い頃は(という言い方が不自然でなくなってきたのが悲しい)年上の女性を好きになったり、付き合ったりすることはよくある。相対的に年上のほうが多いわけだし、青少年にありがちな大人への憧憬がそうさせる。
私も実際、年上の女性を何人か好きになって、付き合ったりもした。そういうのはどちらかといえば年上のほうが多かった(まあ総数は片手にも余るがw)。
しかし、年齢を重ねるにつれて、年上の幅が狭まり、だんだん年下へとシフトしていく。今では上は+2、下は法律が許す範囲にまでになってしまった。
当たり前だ、この歳になって年上の女性を好きになることなどあるわけがない。女優さんなんかできれいだなと思う人はたくさんいるが、リアルに考えると絶対にありえない話だ。
と、昨日までは思っていた。
ある仕事にでかけた先に、その女性はいた。
まずその細い身体が目に留まった。細く長い足、人懐こい笑顔、そして、柔らかくふわっとした声。
挨拶をかわして、二時間くらい経ったとき、あ、ヤバイと思った。
一緒に仕事をしていた三日間、そりゃもう夢うつつもいいとこだった。普通に声を出して話ができない現場なので、話すときは当然顔が近づく。もちろん会話の内容は業務的なものだが、心臓はバクバクである。アメコミならハートの形をした心臓が服を突き破ってるとこだ。
年の頃は40前後から40半ば、もちろん既婚者。万が一、この先なんとかなったとしても、二人に未来はない。
遊びでもいいと思った。恋愛に関してはストイックなほうだが、そう思わせるほど、その人は魅力的だったのだ。
今回は何もないまま終わったが、もしまた会う機会があれば、どうなるか自分でもわからない。理性が抑えきるのか、衝動が暴走するのか。
いやほんと、ヤバイよマジで。