レッドカーペットとあらびき団

奇しくも同じ曜日、近い時間帯(一部を除く)に放送されているわけだが、あらびき団のほうが客前でないので敷居は低い。ふとっちょカウボーイがレッドカーペットで玉砕したことからもその低さが窺える。
ではあらびき団が面白くないかと言えば全くそうではない。
見たこともない、そして今後も見ることがないような、多種多様な芸人が見られるのは貴重である。
現に、夙川アトムを初めて見て驚愕したのはあらびき団だし、門外不出の最強キャラ、安穂野香はもはやあらびき団の看板スターである。
レギュラー化されたレッドカーペットも、芸人の弾数が多いので見ていて飽きさせない。
ただ残念なのは、関西芸人がことごとく玉砕していることだ。あのジャルジャルが初見で中笑いに甘んじたのを始め、R-1ファイナリスト中山功太、何を勘違いしたのか東京に進出してしまったNON-STYLEも相次いで中笑いに沈んでしまった。
全国ネットとはいえ、東京制作の番組はアウェイなんだということを思い知らされた格好だ。
すっかり裾野が広がりきってしまったお笑い界だが、人気は当分衰えそうにない。

レッドカーペットピックアップその1

はんにゃ
へたれキャラぶりも板についてきた。おどおどっぷりがいい。

天津木村
あのネタは、実はエロ詩吟といって、地上波では放送不可能なくらいのやばいエロネタだったりするのだ。今ちゃんが横でハラハラするのも無理はない。

ジャルジャル
びっくりするくらい評価が低いのにびっくりする。ネタの着眼点は他の芸人の比ではないのだが。レッドカーペットはもしかするとアメリカ風かもしれない。

流れ星
一発ギャグをアテレコする、ってあれだ。所作やネタの系列からすると、完璧にFUJIWARAと被るが、一発ギャグで笑ったのは彼らが初めてだ。これはえらいのが出てきたぞ。

夙川アトム

あらびき団に出たのを見て、あの番組で大笑いしたのは確か彼が初めてだ。
業界用語を使うプロデューサー漫談みたいなネタで、その雰囲気が実に面白かった。
業界を知らない人も、ああ、あんな感じかなという漠然としたところを突いてくる。
先日、笑わず嫌い王決定戦という大舞台に出場し、1週目のトリという重要なポジションで放送された。
実はこれでまだ二回目のテレビ出演だそうだ。
確かザコシショウの連れだったと記憶しているが、彼が急成長するに、今のお笑い界は最適である。
今年イチ押しの芸人の一人だ。

R-1ぐらんぷり2008

ここにも伏兵現るだ。
芋洗坂係長というメタボ絶好調のピン芸人は、世界のナベアツを抑えて2位に入った。歌ネタは面白いが、ネタのつなぎが不明瞭で、全体の流れとしてややグダっとしがちになってしまう。
しかしそれにしても、なだぎ武の安定感は揺るぎなかった。彼の芸にはふさわしくない言葉だが、最終的に僅差になったとはいえ、私は彼の勝利を確信していた。
世界のナベアツは、長時間ネタに若干の不安を感じる。才能は有り余っているので心配はしていないが、飽きられやすいのは確かだ。
鳥居みゆきは喋りを置きにいっているのが笑えた。彼女なりに緊張しているようだ。じっくり見るとやっぱりかわいい。
ポンちゃんはこないだのバトルオワライヤルがめちゃめちゃ面白かったので期待していたら、そのときのモノネタのような感じだった。面白かったが、点にはつながらなかった。
中山功太は、滑舌のよさが災いしているのかもしれない。あそこまでネタをきっちり運ばれると、見ているこっちもネタに入ってしまって、考えてしまう分、笑いにつながらない感じがする。前に出したネタを引き合いに出すときがそうだ。
あべこうじのような漫談系は、長時間に耐えうるものの、その分笑いが薄くなってしまう。装甲と機動力の問題に似ている。個人的には嫌いだ。
山田よしは、唯一の絵ネタとなった。このスタイルはもう古いのか。
奇しくも同じ日にレッドカーペットが放送されていたが、このショートネタスタイルというのが、お笑いにかなり影響を与えている。
芸人の粗製濫造時代になったと言えよう。
時間が短いと、インパクト重視で割と受けやすくなる。営業や劇場などではそうはいかないので、あまりショートスタイルに慣れてしまうとその辺の工面が難しくなる。
しかし、事務所側としては大量に芸人を送り込めるので、売り込みにはもってこいだ。
どっちにしても、割を食うのは芸人自身、しっかりと自分の信念を持って、己の道を見極めていって欲しい。
なだぎさん、おめでとう。

M-1グランプリ2007

審査員の人選は実はかなり重要である。保守、革新、バランスの取れた配置が望ましい。
今年は巨人師匠、上沼恵美子氏が加わり、今までで最も万全たる布陣である。M-1は、漫才師が審査すべきだ。
さて今年の決勝進出者だが、本命不在と言われているように、笑い飯以外は横一線で並んでいる。その笑い飯でさえ、本命と言われながら何度も苦汁をなめてきた。
過去二年、ブラマヨ、チュートリアルと、勢いに乗った者が優勝している。今年も恐らくそうであろう。前評判は全くあてにならないということだ。

笑い飯
本命がトップ出番とはなんと不運な。
動きを入れてきたね。相変わらずスロースタートやし、このネタはたぶん決勝にもっといいのを温存している感じだ。笑いがちょっと薄かったのが気になるが。604点。厳しい。

POISON GIRL BAND
ねとっとした感じが個人的にはあまり好きではない。それでも決勝常連は素晴らしい。
東京のベテランさんみたいな雰囲気があるな。ネタの方向性が見えない。もっとナンセンスに振るなら徹底的にやらないと。577点

ザブングル
ネタはまともに見たことがないと思う。顔は知っている。
顔が面白いというのは逆に不利な点もある。自虐的、暴力的なネタもあまり食いつきがよくない。597点

千鳥
関西では今年も大活躍。M-1でそれが出せるか。
スポンサーネタはまずいぞ。千鳥にそんな三歩一みたいなオチは無理だ。580点

トータルテンボス
今年で最後、気合が見える。
ネタのスタイルは古い。けど最後につながってたので面白かった。いいと思う。646点

キングコング
漫才師としての真価を見せて欲しい。実力はあると思う。
テンポええね。どつきツッコミするんやな。ん、おもろい。初めて声出して笑ったな。650点

ハリセンボン
オールザッツで初めてみたときは面白かった。が、キャラに頼った今ではどうだろう。
その寸劇いるかなあ。死神のキャラがあんまり立ってないな。ま、よくがんばったということで。608点、うーん下駄履いたか。上沼さんに感謝しろよ。

ダイアン
謎のコンビてw。大阪の底力見せたれ。相変わらず華ないけど。
いつもそつなくネタをこなすんだが、もう一伸び足りない。でも今日はそこそこ行けたんじゃないだろうか。593点

敗者復活:サンドウィッチマン
知らん。見たことも聞いたこともない。プロモーション番組でちらっと見たときには少し引っ掛かったが。
見た目はなんだが、ネタはいい。黒いほうたむけんに似てるな。ハリセンボンよりは確実に上。651点、おおそこまで取るとは。

最終決戦
勢いからするとキンコン、ネタ次第ではサンドウィッチマン、頑張ればトータルテンボス。
同じネタか、トータルテンボス。キングコングもかい。せめてテレ朝のキャスターだせよ。サンドウィッチマンおもろいな。票割れそう。5:3でキングコングとみた。3はサンド。

優勝:サンドウィッチマン
正直、名前もネタも見たことがなかったが、出場者の中では一番面白かった。生粋の芸人みたいなので、テレビ局は使いどころが難しいと思うが、来年は忙しい一年になることだろう。ぜひ大阪の劇場へも来て頂きたい。おめでとう。

爆笑ピンクカーペット07冬

M-1のファイナリストが決まった。この中で将来のファイナリストは誕生するのか。

バカトケムリ
早送りはよかった。長いネタのときはどうするんだろ。
アームストロング
グー突っ込みはマジで痛そうだ。そういうコンビ名だったのか。ネタもよかった。
モエヤン
こういう音楽に乗せた感じのネタは耳につきやすいし客受けしやすい。個人的には嫌いだが。
若月
ヤンキー系はネタのチョイスが限られる。長続きすればいいが。
ロッチ
会場ではうけていたがそんなに面白くはない。ルックスはアンガを意識か。
こまつ
キーボード持込、マリオネタ。素晴らしい。お笑いとしてはどうかと思うが、よかった。
ものいい
全てにおいてバランスがとれてないコンビ。違うか。
トレンディエンジェル
若ハゲ二人の自虐コンビ。出落ちが全てか。
ガリガリガリクソン
ガチでネタ飛ばす。お笑いはニートのリハビリではない。消えろ。
デスペラード
日本人とイラン人のコンビ。ちょっと訛ってたらいいのに。両国のためにがんばれ。
鳥居みゆき
噂の彼女だ。こういうのは新世界界隈に200人ほどいるが、よかったら東京送ろか。
ジョイマン
音楽ネタだが、テンポがいいわけでもなく、切れがあるわけでもないが、癖になる。掛け布団50トンにはまった。重いわ。
レアレア
亀田オヤジのモノマネをするのがいる。井筒監督できたが亀田でもよかったような。
だいなお
動きで笑わせる芸は貴重だ。その割に派手さがないが。
山崎智
マジで農家をやっているらしい。兼業芸人といったところか。どっちかにしたら。
ハム
サ行が言えない超シャクレがいる。まあ、ほどほどに。
天竺鼠
見た目の割に繰ったネタをしてくる。確かベース芸人だったような。
ジャンみやがわ
たけしさんのものまね。松村のほうが遥かにうまい。
インポッシブル
巨大昆虫と戦うシリーズ。これ好きだ。面白い。
こばやしけん太
サウンドものまね。うまい。ケント・フリックも真っ青だ。
しんご☆くん
歌舞伎町へ行きなさい。絶対にそのほうがいい。
ザ・ゴールデンゴールデン
三人組。ハンサムはSFXみたいな顔だ。
増谷キートン
70年代フォーク芸人。客層を選ぶネタだが面白い。
マウンテンヒル
コンビの一人がアホタイプ。しかしなかなか切れ者やな、こいつ。
みこと
最近、女性でこういう下ネタをやるのが増えてきた。広げていけるのだろうか。
BLUE RIVER
博多産。威勢がいいね。ネタは普通。
田代32
絵ネタ。そのネタ絵を破るという新しい展開。その切り口はいい。
いとうあさこ
唯一顔と名前を知っていた。おかげでも常連。この人は上でもやっていけるやろ。

MVPはジョイマン。うん、これはよかった。
お笑いブーム、しばらく続くようだが、予想ができないのが怖い。

狩野英孝

レッドカーペットの項で少し触れたが、あれからかなり気になっている。
ありとあらゆるパターンで若手芸人が跋扈している昨今、イケメンなどはともするとキャラが被って沈んでしまいそうな気もするが、彼の場合はネタがちゃんとしている。
ラーメン屋のネタ、ケインという隠語を使う下りで(ケイン・コスギで濃すぎの意)、店員に理解されてなくて説明するところなどはかなりのツッコミどころである。通じてへんのかい。
「君仮免、僕イケメン」「ラーメン、ツケ麺、僕イケメン」
~メンが付くような言葉を使うシチュエーションはかなり限定されてくると思うが、個人的に私は大好きなのでがんばって欲しい。