iPod Shuffle

いやあ、まさか自分が音楽を聴きながら街を歩くようになるとは思わなかった。
欲しいと思ったことはないが、与えられれば便利に使うにこしたことはない。
シンプルに音楽を聴く機能だけしかないので、使い勝手もいい。
リセットさえかけなければ、スイッチを切っても続きからシャッフルしてくれるのも嬉しい。
好きな曲をシャッフルして聴くというのは、実は長年の私のスタイルでもあったのだ。
その昔自分で買ったCDプレイヤーも、5枚一度にセットできて、全ディスクからシャッフルして聴くことができるものだった。
仕事でマックを使うようになってiTunesの存在を知り、やがてWin版も登場し、CDの聴き方も随分変わってしまった。
今や音楽配信が急成長だが、やはり何か物足りない気がする。データではなく、しっかりとした物的音源を大事にしたいと思うのは、今となっては古い考え方なのだろうか。

Rise / 菅野よう子

菅野よう子はコンポーザーであって歌っているのは違うアーティストだが、クレジットはなぜかこうなっている。
攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIGのテーマソングだ。
菅野よう子といえば、久しぶりに名前を見たのはカウボーイビバップだった。それ以前は、どこかにも書いたがてつ100%というジャズファンクバンドのキーボードだった。
今や、アニメ業界には欠かせないコンポーザーの一人になっている。
ビバップもそうだが、聴いただけで背筋がぞくぞくっとくるような曲はそうない。
この曲も、聴いただけであのS.A.C.2ndのシーンが呼び起こされる。
ガンダムで育った世代が、どんどん一線で革新的な作品を作り出している。ジャパニメーションの裾野が広がっていくのは喜ばしいことだ。
そういう作品において、菅野よう子の曲が浸透して作品世界を広げていくこともまた、喜ばしいことである。

ポータブルプレイヤー

ニューヨークで、道路横断中のiPod使用を禁止する条例が提出されるそうだ。なんでも、音楽に夢中で車に轢かれて死んだ少年がいるとか。
決定的瞬間みたいな番組で、立て篭もり犯と警官隊が対峙しているところへ、ヘッドフォンで音楽に夢中な若者が気づかずに通り過ぎようとして、警官に引きずり出される映像があった。
ニューヨークの件は行き過ぎかも知れないが、音楽を聴きながら街を歩いていて、誰かが大声で注意しているのが聞こえずに、上から落ちてきた鉄骨に頭を潰されても文句は言えないと思う。
私は、この種のプレイヤーを持ったことがない。携帯以上に、私には必要のないものだ。
街には、街の音がある。電車の中にも、電車の音がある。鳥のさえずりであったり、水のせせらぎであったり、風のざわめきであったり。
音楽は好きだが、それらに耳を塞いでまで、音楽を聴こうとは思わない。

RYDEEN 79/07 / Y.M.O.

懐かしいフレーズと、懐かしい顔ぶれがCMの中にあった。この曲、CDいつ出るんだろうと思っていたら、限定配信だった。
YMOの曲を配信で手に入れる。テクノの真髄のような気がした。
生音を使ったサウンドは、どこか寂しげだが、大人の雰囲気である。
小遣いを貯めて近所のレコード屋で初めて買ったアルバムは、ソリッドステイトサヴァイヴァーだった。10歳だ。あの頃の尖ったような感じはないが、これは紛れもなくライディーンである。
まさかこんな不意にYMOの新曲が聴けるとは思っていなかったが、そこには何かピリオドのようなものを感じえてならない。
YMOら幾多のアーティストが旗手となって広まったテクノポップは、やがて時代の必然となって全世界へ浸透していった。
私も、初めて聴いたあの日から、この曲のフレーズはずっと体のどこかで響いている。
しかし新録されたこの曲は、そんな我々にお別れを言っているような気がしてならない。
ずっと聴いていてくれてありがとう。もう僕らができることは何もない。今度は君たちが僕らに見せてくれる番だ、と。
聴けば聴くほど、そう思う。

今すぐkiss me / Believe in Love // LINDBERG

個人的にはあまり使いたくないフレーズの一つだが、”元気がもらえる”典型的なサウンドである。
走るドラム、唸るギター、響くベース、そして、元気いっぱいのヴォーカル。ティーンエイジにこの曲を聴いてはまった人も多いだろう。
しかし彼らほどCMやドラマのテーマソングに起用されたバンドは他にないのではないだろうか。今では当たり前になったが、タイアップでセールスを伸ばすというビジネスモデルの先駆けともなっている。
ともあれ、90年代を代表するバンドサウンドの一つである。
http://www.flight-lindberg.com/

Reach / 1-2-3 // Gloria Estefan

ヒップホップもユーロビートもなかったころ、ダンスミュージックといえばラテン系だった。
そんな頃に巷を賑わせていたのが、グロリア・エステファンとマイアミサウンドマシーンだ。どや、懐かしいやろw
「1-2-3」は、一度はどこかで耳にしたことがあるはずの曲だと思う。世代を問わず、この曲を聴いて体が動かない人はいないだろう。
「Reach」は、アトランタオリンピックのテーマソングであり、重厚な中にもどこか切ない、選手の感情の機微のようなものを感じさせる曲である。
いやほんとに、音楽ダウンロードはいいぞ。今年もう50曲以上買ってるし。CDはなくなるかもね。

Romi「ripple」

「なぜ」のPVが同梱されているCDEXTRAなので、長い間ショップで探していたが、ようやく手に入れることができた。
しかし、このCDの発売日は97年、ウインドウズがまだ95の時代でむしろMACユーザーが優遇されているような時代だった。
パソコンの世界で、10年前は大昔に等しい。閲覧できたクイックタイムのPVはとても視聴に耐えうるようなシロモノではなかった。
Romiの映像資料がないに等しい今、非常に貴重なファイルではある。