山登りと幼稚園

瓜生山へつながるあまりメジャーじゃないルートを歩いていると、子供たちの声が聞こえてきた。
人里からだいぶ離れているはずなので、近くに幼稚園があっても聞こえるはずはない。
そうこうしているうちに声が近づき、なんと上から子供たちが下りてきた。
大人でもちょっと怯むくらいの急斜面を、大きい子はすたすたと下りてくるが、小さい子は先生に手をひかれながら、尻餅をついて下りてくる。
かわいいのでちょっと相手しながら通るのを待つことにする。一応谷側に立って、危なそうなら助けよう。
全部で30人くらいはいただろうか。みんな疲れた様子もなく、しっかりした足取りで下りてくる。下りてきたということは、朝早くから上ったのだろう。
もちろん挨拶はしてくるし、中には私に自己紹介までしてくる子もいた。
3歳の子が何人かいたが、例え引率がいたとしても、3歳にはきついルートだ。
全員通り過ぎるまで10分くらいかかっただろうか。最後の子供たちが通り過ぎたのを見送って、私も上り始めた。
そして、子供たちが通ってきたルートを見て愕然とした。
道幅は30cmもない。大人が一人やっと通れる幅だ。
砂地で滑りやすく、谷側に傾斜している道もある。もし谷に落ちれば4、5mは真っ逆さまだ。
こんなルートをあんな小さい子達が歩いてきたのだ。もし私が親なら、全力で止めただろう。
大人でさえ躊躇するようなルートを、3歳の子供も歩いているのだ。
そういえば、豊国廟の阿弥陀ヶ峰を訪れたとき、幼稚園の子供たちが書いた看板がぶら下がっていた。
その幼稚園のウェブサイトを見ると、定期的に幼稚園で山登りに出掛けているという。その中にはこの瓜生山や大文字山はもちろん、比叡山もあった。
子供たちに山登りをさせるのは大歓迎だが、危険への対処はもちろんきっちりしておかないといけない。
引率の先生はさぞかし大変だと思う。
しかしかわいかった。写真撮っときゃよかったなあ。

東山三十六峰

京都に生まれ育ったものなら一度は聞いたことがあるだろう。
比叡山から稲荷山までの東山一帯の山々を総称してそう呼ばれている。
しかし実は、その三十六にも及ぶ山の特定がはっきりしていないのだ。
昔の文献を参考に、だいたいこうだろうというくらいでしか特定されていない。
ハイカーの中には、それらの登頂を目指そうと文献を参考に山々を巡っている人もいる。
もちろん、私もついでに登ったりしている。
東山三十六峰
こんな風に有志が目印をつけてくれているので、普通の山登りに飽きた人は三十六峰の登頂を目指してみてはいかがだろうか。
ただし、現在いくつかの山が立入禁止区域にあるのでそれは近場で我慢しよう。

山歩きのススメ

誰に頼まれたわけでもなく、毎日せっせと山道を歩いて地図をつくっている。
しまった、地図メーカーにでも就職すればよかったな。
データが揃ってきたので、突然現れる分岐も、たぶんこれはあっちだなと大体の見当がつく。
それでも、見知らぬ道を、街中ならともかく山道を歩くのは、一つ間違えばその先には死が待っている。
今日も、割と人里に近いところで鹿に出会った。もっとも、警戒しているのは向こうのほうで、こっちをじーっと見たまま微動だにしない。
もし突然出くわして蹴られでもしたら終わりだ。
道が必ずどこかに通じているわけでもない。
道がいつの間にかなくなって、行く手を木々に阻まれることも多々ある。
そのときは引き返す決断も必要だ。
見知らぬ分岐を進み、崖の縁を歩き、沢を渡り、その先に待っている何かを見つけるまでひたすら歩く。
つまらぬ日常に嘆いているそこの諸氏、来週は山なんかどうだ。
富士山へ登る必要はない。近くの山で充分だ。
そこにはスリルとサスペンスと、色づく山々と、もしかしたら出会いと、翌日の筋肉痛が待っているぞ。

ハロウィン

んなもん日本で定着するかいなと思っていたが、先刻風呂の帰り、仮装して歩いている子供たちを見かけた。
これもどっかの誰かさんの努力の賜物だろう。
宗教的な行事かと思いきや逆で、信仰深い地域では開催を禁止しているところもあるとか。
どの道海外由来なので日本ではそんなに浸透することもないだろう。
ただ、こういうイベント事の主役は子供たちなので、子供たちが楽しめるならそれでもいいかなと個人的には思っている。
かぼちゃを食べる日ではないのね。ま、それもいいか。

カタツムリ飼ってます

以前ニッポンマイマイというカタツムリを見つけて以来、漠然と飼いたいなあと思っていて、ある日そのニッポンマイマイの子供らしきカタツムリを見つけたので、持って帰ってきた。
ディスプレイっぽくしたいと考えていたので、まずはホームセンターで小さな観葉植物を買ってきて、それをなんか小粋な容器に入れて、それをディスプレイケースに入れてみた。
通気が悪いのでケースには穴を開けてある。
餌はたまにした与えていないが、どうも観葉植物の土を食っているようだ。よく真っ黒なうんこをしている。
コンクリのかけらを入れると殻の成長にいいというので、拾って入れてある。これもたまに貼り付いて、食ってるかどうかはわからないが効果はあるようだ。
今のところ白菜が大好きである。
冬越せるかなあ。
カタツムリ飼ってます

山はやっぱり危ない

危うく遭難寸前だった。
例によって今日もトレイルマップの製作中、地図にない分岐はどこに行くのだろうと調べていた。
後でGPSのログを見れば、メジャーなトレイルコースでぐるっと囲まれた中だったので、最悪どこにでも出られたのだろうが、それでも人工物が全く見当たらない中を、例え人が踏みしめたところを歩いていても怖い。
五体満足でさえいればなんとでもなるが、もしイノシシやクマ(いるかな)に襲われでもしたら、たぶん間違いなく死ぬだろう。
そう、自然の中では、自分だけではいかんともしがたい状況になることがあるのだ。
結局、その山道はぐるっと回って元のところに戻ってきただけであった。
急な下りを、落ち葉と砂利に足を取られて二度ほど尻餅を着きながら、こんなところでくたばるかと必死で歩き続けた。
歩いた距離はたった840m。平地なら10分で歩く距離だ。
一時間くらい歩いたような気がした。
しかしこの刺激がたまらんのだ。
日常では味わえないスリルが山にはある。
まあ、死なん程度に遊ぼうじゃないか。