バックナンバーズ・いい大人になろうと思う

知り合いの女の子から、コンパニオンの仕事を始めたのでプロフィール用の写真を撮ってくれないかと話がきた。軽い気持ちで受けたが、直前になってそれがかなり重要な写真であることがわかって、私は正直ビビった。
隠さずに言おう、下心はあった。ああ、あったさ(開き直るな)。しかし、それを聞いてから、こいつは真剣にやらないと彼女のために悪いなと思った。もしかすると、私の写真が彼女の運命を左右してしまうかもしれないのだ。
そんな歳になったのかと、思った。そんな責任を負えるのかと、自分に問うた。ほんの一瞬だが、断ろうかとも思った。
撮影当日、ファインダーの中の彼女は、明るくてかわいかった。予算も省みず、四本のフィルムが回った。寒風吹きすさぶ中、三ヵ所のロケ地を移動したが、私の早足に彼女はついてきてくれた。
たった二枚の写真のために、私も彼女も、持てる力を全て出そうとしていた。結果がどうでるかはわからないが、フィルム代の封筒に同封されていたメッセージカードを見て、私は思った。彼女のためにも、いい大人になろうと。
(みかつう9802号)

天草テレビ

私も女子アナは結構好きで、各局一人くらいはひいきがいたりする。天草テレビというインターネット放送局には、恐らく世界最高齢の女子アナがいるそうだ。
以前からそれは知っていたが、最近ギネスブックに申請が登録されそうなニュースがあったので、久しぶりにサイトを訪ねてみた。
世界最高齢の女子アナは、二代目になっていた。今年の5月に、初代の方は亡くなっていたらしい。
最高齢女子アナは話題作りにはいいかも知れないし、実際の現場でも活躍されていると思うが、いかんせん、お年寄りである。十年二十年女子アナを務めるわけにはいかないだろう。となると、どうかなと思うのである。せっかく人気が出ても、半年後に亡くなったりしてしまうかもしれない。
なんか、手放しでニュースを見る気にはなれず、何かが心の中で引っ掛かった。二代目の方には、いつまでも元気でいてもらいたいものだ。
天草テレビ http://www.amakusa.tv/

バックナンバーズ・雑誌と腕時計

以前、女の子と茶席で話していたときに時計の話になって、私が腕時計をしていない理由を尋ねられた。大学の時に買った腕時計が、ものの一月も経たないうちに止ってしまい、電池交換も面倒なのでそのままにしておいたら、別に不自由なく生活できたので、今更欲しいとも思わないし必要とも思わないと答えた。
彼女は、俯き加減で嘲るように笑っていた。
心理学上、かどうかは定かではないが、腕時計というのは自分の恋人に対する考え方を表しているそうだ。腕時計を必要と思わない私は、恋人を必要としていないということになる。きっぱり言っておくが、私は正常である。
これは別の友人から聞いたのだが、雑誌は友人に対する考え方だそうだ。私は、必要なものだけを買って、ずっと置いておくと答えた。これは当たっている。
経済的理由が行動を制限しているのは確かだ。ちょっと興味のあるものなんかは、そういった理由で後回しにしていることが多い。友人も多いと交際費もばかにはならない。こういった例えはなるほど言い得て妙である。
腕時計の話を聞いて以来、私はずっとそのことが頭から離れない。あの場では「そんなことないよ」と一笑したが、冷静に考えて今恋人が欲しいかと考えると、そんなに必死になって欲しいとは思わないのが正直なところだ。延いては、恋人とは自分にとってどういう存在でありえるのか考えたりもする。恋人は友人の延長なのか、友情の行き着く先が愛情なのか、愛は欲しいと思って手に入れるものなのか。
また、恋愛小説を書こうと思った。
(みかつう9705号)

春夏夏冬

暑い。彼岸もとっくに過ぎているのに、なぜ私はTシャツに短パンで汗をだらだらかいているのだろうか。
いつもなら気持ち悪いくらいに時期を合わせてくる彼岸花が、今年は十日以上前に咲いていた。そういえば、セミの初鳴きを聞いたのはまだ6月だった。
こうも異常気象が続くと、そのうち異常が正常になり、元の正常が異常になってしまい、なんのこっちゃわからなくなってくる。
日本は熱帯化しているそうだ。気候区分から見ても、その状況は顕著である。最近思うのだが、どうも秋が短くなっているような気がする。
朝晩が涼しくなり、日も短くなって、日中の気温が下がり、Tシャツに1枚羽織り、短パンからジーパンになり、鍋物やおでんが恋しくなり、コンビニで肉まんを買い食いする。
本来、こんな感じで夏が秋へスライドするのだが、近年は昨日まで夏日だったのが今日はいきなり雪が降りそうな(ちょっとオーバーか)気候になったりして、季節と季節の間がなくなってきている。
このままでは、四季の移ろいに物の憐れや機微を感じていた、日本人の根幹が揺らいでしまうのではないかという危機感さえ抱く。
もっとも、世界中で四季を感じて生活している人種のほうが少ないと思うが、だからこそ、そういう感性を大事にしていかねばと思うのである。

日当たりのいい昆布屋

大阪の某所に昆布屋がある。仕事帰りによく店の前を通るが、もちろん中に入ったり物を買ったりはしない。造りは比較的新しく、老舗というような店構えではない。立地はあまりよくないが、官庁街のど真ん中にあるので人通りは多く、それなりに客も入るだろう。
その昆布屋、店先にワゴンのようなものがあって、そこにも商品を並べている。小さな不透明のプラスチック容器に入った試食用の商品まで置いてある。
いつも夕方に通るのだが、その店は西に面しており、西日が思いっきり店先に当たる。もちろん、ワゴンや試食用の商品にもだ。太陽は、容赦なく店先を照らす。ワゴンに置かれた昆布は、直射日光に晒され続けている。
誰か、試食した人はいるのだろうか。
夏場などは、プラスチックの容器にうっすら水滴のようなものまで見えるというのに。
何か言ったほうがいいのだろうか。今日も私は店先を横目で見て通り過ぎる。

韓流に流されるテレビ局は溺れてしまえ

日韓交流を妨げるつもりは毛頭ないし、ドラマに感化されてロケ地を巡ることを非難するつもりもない。私も、東京へ行く機会があれば「探偵物語」のロケ地へ行ってみたいくらいだ。
しかし、柳の下のドジョウを躍起になって探しまくっているテレビ局の姿勢だけは、許すことができない。そう思ったのは、フジテレビの「クイズ・ヘキサゴン」を観てからだ。
その日、番組の回答者はいわゆる一発屋の人達を集めていた。メンツからして、ほとんど紳介師匠の身内(円広志と桑名正博と高原兄て・・・)であるが、こっちとしてはそのほうがトークも冴えるので面白いだろうと観ていた。しかし、この日は番組中に冬ソナの未公開シーンを流すという知らせが何回もあった。別に気にも留めずに観ていたのだが、それは8時40分頃のことだった。
ある回答者が問題を指定すると、それは冬のソナタに関する問題であった。そこで、その未公開シーンが流れたわけである。
よーく考えていただきたい。
視聴率稼ぎで未公開シーンを流しているのは明らかである。8時40分頃といえば、水戸黄門なら印籠が出る時間だ。
しかし、普段の回答者は問題をランダムに選んでいる。ということは、この時間にこの問題を選ぶということを、予め決め打ちしていたのだ。
これがテレビのやり方である。一応スタッフの名前を列挙しておくが、一番悪いのは編成のバカ共である。
■プロデューサー・演出
 神原 孝(バラエティー制作センター)
■プロデューサー
 西 雅史(D:COMPLEX)
■ディレクター
 池田よしひろ(D:COMPLEX)
 奥村達哉(D:COMPLEX)
 武田直也(D:COMPLEX)
■制作
 フジテレビバラエティ制作センター
■制作協力
 D:COMPLEX
面白いクイズ番組だったんだけどね。