Wヤング

空前の漫才ブームで活躍した若手漫才師たちが目標としていたのが、希代の天才漫才師Wヤングであった。数々のギャグやテンポのいい舞台は、ビートたけしをもってして勝てないと言わしめたほどであった。
しかし、中田治雄が79年に福井・東尋坊で飛び込み自殺を図り、Wヤングは伝説となった、はずであった。
残った平川幸雄は、吉本新喜劇座員の佐藤武志を誘い、新生Wヤングとして再スタートした。それから二十余年。私は改めてその技量に驚愕した。
間、息、テンポ、全てが完璧に噛みあったしゃべくり。平川はすでに齢六十をとうに越えているはずだが、舞台狭しと走りまくり、強烈などつきをかます。喋って笑わし、動いて笑わし、客をいじり、相方をいじり。正直、私のお笑いの中にWヤングというコンビが今まで欠けていたことを恥ずかしいと思った。
相方や弟子を悲劇的な形で失った平川だが、新しい相方とのWヤングがようやく呪縛から解き放たれようとしている。ヤングというには程遠い二人だが、この大ベテランのこれからに注目である。

F1第3戦バーレーンGP

今年初めて映像を見たが、グレーのアスファルトと砂のコントラストはなかなか趣きがある。しかし、マシンにとっては砂は大敵、少しでも縁石を割り込もうものならたちまちマシンは砂だらけになるだろう。加えてあの暑さである。駆動系やタイヤにはかなりきつい。ドライバーにも影響大だ。
モントーヤがプライベートで骨折し、代わりにデラロサが出場することになった。全く余談だが、彼とプロストと私は同じ誕生日である。個人的にがんばれ。
前2戦の結果を受けて、フェラーリは急遽新車を投入してきた。予選ではさすがに結果を出してきたが、シューマッハ兄は残念ながら決勝序盤でリタイヤとなった。これも全く余談だが、彼と私はタメである。
フェラーリの不振もあって、アロンソが2連勝、トヨタも2-4フィニッシュとなった。代打出場のデラロサも5位に食い込んだ。久しぶりのレースで結果を出してくるところはさすがである。
さて、フェラーリの不振はいよいよ深刻である。新車投入も空振りに終わった。ヨーロッパラウンドに向けてどういう手を打ってくるのだろうか。そして、ルノーの好調はフロックではないようだ。このまま独走するのか、フェラーリの巻き返しはあるのか。
気候変動の少ないヨーロッパラウンドで、その真価が試されるだろう。

ドラえもん新声優陣所見

記者会見の時の映像を見ただけの印象だが、ちょっと気になるので書いておく。
5人の声を通して聴いたのだが、なんというか、声のトーンというか周波数というか、全員似たような感じの印象を受けた。声色がどうも一辺倒なのである。
本放送を見ればもう少し印象も変わるかもしれないが、やはり一気に替えるというのは、ドラえもんという作品価値を考えると相当リスキーであると言わざるを得ない。
のび太にはもう少し弱弱しさが欲しいし、しずかはあまりに凛としすぎている。スネ夫は完全に癖が抜けてしまい、いやらしさがない。ただ、ジャイアンは及第点をつけたい。豪快さを14歳に求めるのは酷かもしれないが、たてかべジャイアンを踏襲しつつ、自分の色も出している。しかし彼は本当に中学生なのだろうか。見た感じ少なくとも二十歳以上に見えるのだが。
ドラえもんについてだが、これはノーコメントとさせていただきたい。水田わさび氏には申し訳ないが、ドラえもん=大山のぶ代という図式をひっくり返すには、五十年はかかるだろう。
しかし、五十年かけてでも、ドラえもん=水田わさびにしなければ、この大役を拝命した意味がない。新声優陣には、まさに文字通りの長い戦いが始まる。頑張っていただきたい。
ドラえもんの陰に隠れるというわけではないだろうが、サザエさんのワカメ役の声優が交代している。そう言えば、野村道子氏はドラえもんとサザエさん双方に出演して同時に降板したわけだが、この二作品に出演し続けたということは、まさに偉業である。お疲れ様でした。

ギャラクシアン


79年ナムコ/シューティング。
今更何の説明もない名作。インベーダーがあったとはいえ、美麗なグラフィックやサウンドはオリジナリティ溢れる逸品である。
敵キャラのスムーズな動きや、フォーメーションなど、仕掛けとしても優れたものがある。ある意味、シューティングゲームの始祖はこれではないだろうか。

ロータス


長年生産されていたエスプリが生産停止になり、とうとうロータスはエリーゼ一本になってしまった。エラン、ヨーロッパ、エクラ、エリート、エクセル、エスプリと、車種名がEで始まることはロータスの伝統である。
ライトウェイトスポーツの代名詞であるロータスは、70-80年代にはF1でも大活躍、セナや中嶋悟もステアリングを握った。世界的不況の煽りで90年代半ばに経営危機に陥るとともにモータースポーツからも撤退、トヨタやGMなどの支援を受けながら、現在はマレーシアのプロトンの傘下にある。
しかしエリーゼは絶好調だ。派生モデルであるエクシージや究極のライトウェイトモデル340Rも、その筋では大人気である。
正直、エリーゼは素人が乗れる車ではない。休日に家族で出かけるような車ではない。そんなモデル一本でやっていこうと言うのだから、ロータスの底力や如何にである。近い将来、F1への復活もあるかもしれない。ないかもしれない。

シン・トー/ピーチブレンド


冗談抜きで、このシリーズは手に入る限り毎日飲んでいる。ほどよい甘さと喉越しのよさがごくごく飲める。
春の新作は桃とパイナップルをブレンドしてきた。パイナップルがやや強く、今までで一番甘く感じる。
激戦とも言える100円500mlパックジュースで、頭一つ抜きん出ているのがこのシントーである。まだの方はぜひ。

ランチア


かつてはストラトスやデルタなど、スポーティなイメージが強かったランチアだが、業績も悪化して今やすっかり普通のメーカーになってしまった。
現在のラインナップは、セダンのテシス、大型MPVのフェドラ、ワゴンだけになったリブラ、コンパクトカーのイプシロン、そしてミニバンのムーサである。しかも、テシスは今年度中の生産停止が決定している。なんとも元気のない話だ。
今のランチアに、かつてWRCで隆盛を極めた頃の活気はない。ラリー037、デルタS4、デルタインテグラーレ、今見ても惚れ惚れするイタリアンテイスト満載の車だった。
そんな中、先のジュネーブショーでイプシロンのスポーツモデルが発表された。なんと、ザガートデザインである。市販を前提としているので、少しは期待できるかもしれない。