牛丼年内再開はどうやら厳しくなりそうだ。しかし、日本人というのは不思議な人種である。今まで散々アメリカ産牛肉を食べておきながら、一頭BSE感染牛が見つかった途端、アメリカの牛肉は危険だと門戸を閉ざす。政府のBSE対策というのは、単に責任の所在をはっきりしておきたいだけであって、食文化や習慣などはどうでもいいのである。
自己責任という言葉があるが、日本人は国民性としてこの自己責任という考えを持ち合わせていない。戦争に負け、徹底的に腑抜けにさせられたからだ。話が飛躍したが、要はさっさと輸入再開せんかいボケ、ということである。
さて、そんな吉野家の新メニューの一つ、牛焼肉丼を食べた。甘めのたれが絡んだ牛肉に、具は玉ねぎとピーマンの細切りが入っている。
味は悪くない。辛いものが得意ではないのでコチュジャンは入れなかったが、入れると味に深みが出ておいしいと思う。しかし、脂身が多い割に肉は硬く、丼物に必要なものがない。つゆである。
焼肉なので当たり前なのだが、丼はやはりつゆも要素の一つとして考えたい。つゆがないと、一つの丼にご飯とおかずを入れたものになり、余ったご飯の行き場がない。丼としての魅力に欠けるのである。
たぶん、次に吉野家に行くときは、豚丼を注文することになるだろう。