タツノコプロのすごいところは、マンガや小説を原作にせずオリジナル作品にこだわっていることと、敵味方のキャラクターの書き分けが素晴らしいところである。タイムボカンシリーズに代表されるように、むしろ悪役のほうが細かく描く傾向があるかもしれない。
ウラシマンも多分に漏れず、善側より敵側に力が入っている。そう、ルードヴィッヒである。沈着冷静ながらも時折見え隠れする激しい野望。塩沢兼人しかあてられない、いやもはや塩沢兼人があてることを前提としたキャラクター作りが的中している。
善側に魅力がないわけではない。リュウの相方は大ベテラン神谷明だし、ボスはもっと大ベテラン大平透である。お得意のギャグは全開だし、田中真弓扮するジタンダは行き過ぎである。
しかし、そういうドタバタを全てルードヴィッヒが締めてしまうのだ。最終回も結局、盛り上がったのはそこであった。
タツノコプロの作品が長く愛されるのも、そういったキャラクター作りの緻密さが成せる技かもしれない。