星は夜にならないと見えない(当たり前だ)。夜というのは人間が活動を収縮していく時間である。その時間を割いて天体観測をするというのは非常に辛い。高校時代、天文気象部の部長を二年務めさせてもらった私が言うのだから間違いない。
ちょうど今、比較的見やすい彗星が夜空に浮かんでいる。ニュースなどでも取り上げられているのでご存知かもしれない。詳しい情報はリンク先に細かくあるのでご一読を。
そのリンク先でも書かれてあるが、彗星は肉眼で見たとき、決して写真のように尾を引いた姿が見えるわけではない。あれは長時間露光撮影で蓄積された光が写っているのであって、実際はぼんやりと明るく見えるだけである。もしかすると、ニュースにそそのかされて夜空を見上げて、見つからないわ寒いわでカゼをひいてしまうかもしれない。見つけたとしても「あれかな?」程度なのである。
釣りと同じで必要なのは忍耐と我慢。星の瞬く夜空というのは、それほどロマンチックなものでもないのだ。しかし、流星雨だけは人生に一度見ておいたほうがいい。私は3年越しで獅子座流星群を拝めたわけだが、あれは素晴らしかった。
とかくストレス社会の世の中、星空を見上げれば、己の小ささにもっと人生が嫌になることだろう。寒さ対策だけは万全に。
彗星符号解説:Cは発見直後または長周期彗星。2004は発見年度。Qは1年12ヶ月をアルファベット24文字で割ったもの(ひと月前後半で一つのアルファベット、1月後半はA、1月後半はB。従ってQは8月後半)。2はその時期に発見された彗星の通し番号。つまりマックホルツ彗星は、2004年8月後半に発見された2つ目の彗星。
http://www.nao.ac.jp/pio/20050107machholz/