仲間由紀恵のシューティングスタイルがちゃんとできている件について

まずはこのCMをご覧いただきたい。
http://www.beverage.co.jp/product/cm/ururu/
相も変わらずかわいい仲間ちゃんであるが、私はそのかわいさに目がいくより、その所作に目を奪われた。
以前、「ジョシデカ」というテレビドラマに出演したとき、銃の構え方が意外とできていたのを触れたのは記憶に新しいが、銃を霧吹きに代えたこのCMでも、しっかり構えているのだ。
とくに、左から右へしゅーっと吹いたあと、顔の横で銃を構えるカットに注目してほしい。
人差し指がちゃんと霧吹きのトリガー(っていうのか?)の外に出てまっすぐに伸びている。
つまり、銃を撃つとき以外はトリガーに指をかけないという、銃を扱う者にとっての「いろはのい」を実践しているわけだ。これは素人にはできない。銃を知っている者でないとできない所作だ。
エアガンやもちろん実銃も、引き金を引くと弾が出る。もし不用意に引き金を引いてしまえば、大事故につながる。その恐ろしさを知っている者でないと、これはできない所作なのだ。
仲間由紀恵は女優である。銃のうまい刑事役をやれば、銃の扱い方も教わるだろう。しかし、ここまできっちりと、しかも銃とは関係のないCMでもその所作を実践しているということは、そういう趣味を持っているとしか思えない。
ま、美人女優には宝の持ち腐れかもしれんが。

ジョシデカ!


仲間由紀恵が銃を撃っているのでちょっと見てみた。
PPKかと思ったがSIGのP230ステンだ。あまりメジャーではないが、アンダーカバー用として日本の警察に正式採用されていたりする。
で、意外とちゃんと構えているのに驚いた。野郎でも銃を知らないとなかなかうまくできないのに、ちゃんと両手でしっかりグリップしている。
予告でもきちんとニーリングポジションをしていた。付け焼刃でそう簡単にできるもんじゃない。
ドラマはコメディタッチだが、少ないガンアクションを真面目にやってくれているのでありがたい。そういやピン子も撃ってたな。

MIAMI VICE

終始クールな映画だった。そういえば、ソニィもタブスも笑ってなかった。あのテレビシリーズを期待している人は、観ないほうがいいかもしれない。
だが、ジートもトルーディもジーナもスワイテクも、警部はだいぶふっくらしたが、懐かしい名前がみんな揃っていて、明らかにこれは「マイアミバイス」なんだと教えてくれる。それに、マイケル・マンが撮っているのだから、何の文句があろうか。
ファーストカット、仕掛けはまったくなく、普通にすっと入る。まるで先週の続き、みたいな感じだ。
フィックスショットがなく、ハンディの映像がほとんどだ。銃撃戦シーンではよくやるが、全編通して使うのはかなり珍しい。スクリーンから距離を置かないと酔う客が出てきそうだ。
ガンアクションも小出しだが密度は濃い。いきなりバレットM82ときた。腕がもげるぜ。
ハンドガンを使用するシーンがあまりないというか、撃ってない。ちょっとくらいあってもよかった。
タブスはグロックっぽかったが専門誌によるとスプリングフィールドXDだそうだ。現物を見てもコピーにしか見えないので無理もない。ただし、トルーディ救出のときの公式サイトのスチールを見ると、ジェリコっぽい丸みを帯びたフレームが見える。
ソニィはステンレスの45っぽいオートに見えたが、インフィニティというカスタムメーカーの銃らしい。出動前にスライドとフレームをかちゃかちゃ擦り合わせるシーンもある。このへんのこだわりがガンマニアとしては嬉しいところだ。
さて、銃声だけが響くお得意の銃撃戦。音はさすがだ。マイケル・マン以外にはできない芸当だ。脇扱いのタブスがお約束のショットガンで敵のリーダーを撃ちぬく。スラグだ。
ジーナがHK・G36Cでヘッドショットを決めるシーンもなかなかだ。トルーディが人質に取られて首に爆弾を仕掛けられ、起爆装置を持った犯人と対峙。この銃で頭をぶち抜くとお前は指を動かす間もない云々と言って、犯人が答えようとした瞬間に撃つ。セオリー通りのアクションはさすがだ。
一般ウケしない映画だが、アメリカの刑事ドラマの最高峰には違いない。雷鳴が轟くマイアミの街。犯罪に立ち向かう刑事たちの怒りなのか、それとも。

刑事貴族

どうにも寝付けない晩夏の夜、ビルボードのヒットチャート番組を見終わって、もうそろそろ寝ようかとザッピングをしていると、この番組に出くわした。懐かしい。
水谷豊シリーズの頃だ。まだかっこよかった彦麿呂も出ている。そういえば、「相棒」で名コンビの寺脇康文はここで共演していた。
刑事貴族は、放送のクールごとに出演者が入れ替わっていた。殉職ではなくもっぱら異動で、前シリーズで異動した刑事がまた帰ってくるというようなこともあった。
この頃の刑事ドラマはだんだん銃撃戦が乏しくなってくるのだが、それでも水谷豊はデトニクス(おそらく刑事ドラマ初)、初代主演の舘ひろしの所持していたガバは、舘ひろしが殉職したあとも布施博、宍戸開がシリーズを通して受け継いで使い続けた。
シリーズ3でプロデューサーが交代したため視聴率が下がり、後を受け継いだ刑事ドラマがもっと酷いことになって、金曜8時の刑事ドラマ枠は消滅した。
日テレだけでなく、刑事ドラマはやがて斜陽を迎えるが、銃の出ない刑事ドラマが確立されるのは「踊る」まで待たなければならなかった。

SIN CITY

とうとう私の周りの映画館はシネコンばかりになってしまった。ロードショーものを観るにはもうシネコンに行かないと観られない。いよいよこのときが来たか。私は覚悟を決めた。まあ、そんな大したことではないが。
MOVIX京都は、京都の繁華街にあるツインシネコンである。これが建ったお陰で、ピカデリーも松竹京映もなくなった。足しげく通った映画館だ。
チケットは全て一階で受け付けている。並ぶためのバリケードが迷路のように張り巡らされてある。休日はきっとすごい列なんだろう。なんせ7つある劇場全てのチケットを扱うのだから。
一番の気掛かりは、席である。全席指定席だ。融通はきくのだろうか。いつも行く平日午前の上映なら人も少ないし大丈夫だろうと思っていたら、その通りだった。中央通路に面したやや左の席。ベストポジションだ。
シートも深いし、背もたれもかなり高い。さすがに新しいだけあって居心地よく設計されている。まあまあ、このくらいならよしとしよう。
さて、「レジェンドオブメキシコ」では見事に裏切ってくれたが、今度はどうだろうか。
全編モノクロで、部分的に色が付いている。口紅とか、血とか。モノクロでよくわからないが、どうも背景は全てCGだそうだ。
ナレーション進行が少し気になる。かなり原作に忠実に制作されたようで、それでようやく原作者を口説き落とせたらしい。
物語は、3話に分かれている。オムニバスではない。微妙にだがそれぞれに交錯している。ほんの少しだけだ。それぞれのメインに、ブルース・ウィリス、ミッキー・ローク、クライヴ・オーウェンが当たる。
それほど入り組んだストーリーではなく、各シーンの散りばめ方も簡単にしてくれているが、モノクロなので映像から受ける印象が単調になり、映像と関連付けて覚えることが難しくなっている。
それもこれも、やはりコミックのような映像を追求したせいだろう。
映像的にはやはりその影響もあって単調な印象だが、その分キャラクターが引き立っている。やはりタラちゃん一家はキャラクターの書き込みがうまい。
あのイライジャ・ウッドがジェット・リーばりのアクションをこなし、五右衛門のように無言で二刀を振るううデヴォン・青木、最初と最後に出てきておいしいイケメン、ジョシュ・ハートネット。などなど、いずれもメインを食わんばかりの存在感である。
配給元はラブストーリーとのたまっていたが、ベタベタしたものは当然ながら一切ない。モノクロの映像に隠されたハードな感情表現が垣間見えるだけだ。
ただ、一貫して女を守る男の姿が執拗なほどに描かれている。それは切なくもあり、また滑稽でもある。男は、女を守るために生きる生き物だと。
派手なガンアクションこそなかったが、ロバート・ロドリゲス、静かなる名作になるだろう。

ヒドゥン

SFか刑事ものかと問われれば、私は刑事ものと答える。フェラーリにぶち込まれる銃弾の雨、マジでエイリアンのようなカイル・マクラクラン、骨太刑事のマイケル・ヌーリー。悪のエイリアンが次々と民間人に憑移していき、それを追い掛ける二人。立派なバディムービーである。
銃の話。マイケル・ヌーリーが持っているのはベレッタM92SB。名銃92Fのベースとなったモデルである。外観上は92Fとさほど変わらず、トリガーガードが丸いことくらいだ。確かこの頃はまだベレッタはあまり登場せず、まだガバやSWリボルバーが幅を利かせていた時代だったと思う。
カイル・マクラクランが持っているのはS&W・M645。45口径のステンレスモデルである。一応FBI捜査官から奪った(というか成り済ましている)という設定だと思うが、この頃のFBIって645みたいな銃は持ってなかったような・・・。PPK腰だめでダブルタップ、みたいな時代だったように思う。
撃っても死なないというシチュエーションは、既にターミネーターがやっていた。それは豪快なガンアクションを演出できるので、ロボコップやこの映画でも取り入れられている。細かな演出も忘れていない。ちゃんと発射音に違いがあって、マニアも納得のガンアクションである。
ガンアクション以外でいうと、カイル・マクラクランと娘の関係が気になる。ラスト、瀕死のマイケル・ヌーリーに乗り移り、彼の命を助ける(でも中身はカイルじゃねえの?)のだが、意識を取り戻したマイケルを見つめる娘の演技がちょっと気になる。正体に気づいている節が窺えるのだ。しかし、娘役の女の子が小さ過ぎて感情の機微が今一つ芝居に現れず、ややわかりにくい演出になった。
地味な作品だが、コアな人気を博した映画である。続編のようなものもつくられたが、それはそっとしておこう。

フェイス/オフ

シナリオは全くのB級だが、それを超大作にしてしまうのがハリウッドであり、ジョン・ウーである。香港ノワールはもちろんハリウッドでも健在であり、今やガンアクションのスタンダードになった。しかし、この映画はニコラス・ケイジの映画か、それともジョン・トラボルタの映画か。得をしたのはどっちだろう。
悪役はニコラス・ケイジ、善役はジョン・トラボルタであるが、映画のほぼ大半は善悪入れ替わって演じられる。ジョン・トラボルタが生き生きと悪役を演じるのに対して、ニコラス・ケイジは顔だけ悪者なので徹底的に打ちのめされる。おまけに対決して死んだのは見た目ジョン・トラボルタなのに、ラストも持っていかれては、ニコラス・ケイジの立つ瀬がない。
結局おいしいのはジョン・トラボルタということになる。個人的には、ニコラス・ケイジの溶けたような顔立ちが苦手ではある。
シナリオは同じでキャストを女性に替えてリメイクするという話があるそうだが、そっちのほうが損得で女優がもめそうな気がする。