「トライト」という掛け声と共に、河原を全力で疾走する女子社員。
キャッシング利用の注意を走りながら説明する。途中、間の抜けたインサートカットが3パターンほど。
アイフル傘下の消費者金融会社で、驚いたことに京都本社だ。大方地元の傾いた会社をアイフルが吸収でもしたのだろう。
消費者金融のCMは、イメージ作りが最優先である。真面目で、清潔で、信頼のおける、といったところがキーワードだろうか。
そんな中、こういうちょっと外した視点で来るところに好感を持った。色彩設計やカット割りには、その筋の演出が窺える。
WEBでも視聴できるのでリンクしておく。ま、ご利用は計画的に。
http://www.365157.jp/
カテゴリー: CM
そのCM待った
アサヒの「Dew」というチューハイのCMが、視聴者からの苦情で差し替えられた。CMのほとんどの時間、商品名である「Dew」をずーっと叫び続けるというのが問題だったようだ。実は私もちょっと耳につくなとは思っていた。
確かにインパクトとしては面白いものだったが、苦情のほうが上回ってはしょうがない。
取るに足らないクレームで、面白いCMがつまらなくなるのは考え物だ。ただやはり、CMは商品広告なので視聴者から反感を買ってしまっては意味がない。
そんなわけで、以前クレームを入れたアース製薬の虫ころりアースはまだ流れている。いつまでスポットするのか、流れる時間帯はどこなのか、もう一回クレームを入れてやろうかと思う。
まだクレームはついていないが、ちょっと待て、というCMがある。日産のセレナという車だ。車が広いということをアピールするため、誰を誘う?というコンセプトで製作されている。
車に乗った親子が、街を走りながら誰を誘おうか決めかねている。父親が三人の板前を見つけて「あいつらは?」と誘う。
あいつら?見ず知らずの他人を、しかも大人を指してあいつら?
この父親の口の利き方には大いに疑問がある。
CMは、一日や二日で作るものではない。何日も何十日もたくさんの人々が関わって製作されている。にもかかわらず、誰一人このセリフにチェックを入れなかったのは、クライアントや代理店の怠慢に他ならない。
CMは短いから楽かと思われがちだが、飛び交う金はテレビ番組のそれと大差はない。短いからこそ手抜きのできない一発勝負なのだ。さて、セレナのCMはどうなるだろうか。
虫ころりアース
私は、ムカデが嫌いである。こうやって書いていても寒気がするので、以降伏字にさせていただくが、こないだテレビを観ていて凍りついた。
例えば、殺虫剤のCMで、リアルなゴキブリに不快感を覚える奥様もおられるだろうが、まあそんな感じである。いろんな害虫に効くということで、そのいろんな害虫がシルエットで出てくるCMがあるのだ。それが虫ころりアースである。
そのCM、あろうことかムXXの、言ってるそばから今テレビで流れた。くそっ。もとい、そのCM、あろうことかムXXのシルエットをCMの一番ド頭にもってきている。
ということはどういうことか。
何気なくテレビを観ていて、何の心構えもなしに私は大嫌いなそのムXXのシルエットを見せられるのである。これがどれだけ不快か。
CMを流すなということではない。せめて、私がテレビから目を逸らす時間をくれということなのだ。
この件について、私はスポンサーであるアース製薬にメールを送った。せめてカット割に配慮してくれと。一応型通りの返事はいただいたが、果たして来年、CMは改善されているだろうか。
日清食品
日本、いや世界に名だたるインスタントラーメンの老舗である。CMを見る機会もかなり多い。実はかなり前から気になっていたのだが、どうも日清食品のCMは、だる~いものが多い。けなしているのではない。そのだる~いところがなかなかクセになって面白いのだ。
カップヌードルなど売れ線の商品CMは、人気タレントを起用したりアーティスティックにしたり結構真面目につくっているが、キワモノというか新商品に比較的そのだる~いCMがあてられている。
今でいうと、健多郎である。石原裕次郎風の速水もこみちが海パンいっちょで出演している。狂った果実風のキャラやセリフ、カメラワークやカット割りさえも実にだる~い。爆笑ではなく、苦笑という感じである。
麺の達人、スープの達人もだる~い。ハンマー投げの室伏がれんげや麺を投げるあれである。汗だくの室伏が半笑いで「ぷー」とか「めーん」とか叫ぶ。実にだる~い。
そのだるさの一翼を担っているのが、書き文字風のテロップである。ラ王のCMでもよく使われている。それがお世辞にも達筆ではない。下手でもないが、ヘタウマでもない。ある意味慇懃無礼な姿勢がなんともだる~い。
決してウケを狙わず、しかしご機嫌を窺いつつ、完全にはずさないですスカすように放り投げてくる。そういうスタンスが非常にだる~く、クセになる。
私が気づいてからもう7、8年この傾向が続いているので、しばらくはだる~いCMを楽しめそうだ。
http://www.nissinfoods.co.jp/product/cm/
ビタシーゴールド
地下駐車場。軽トラの前に割り込むベンツ。
睨み合う双方の運転手。突然、二人は犬に変わる。柴犬とブルドッグ。
車を降りて更に睨み合う。
柴犬が弱弱しく吠える。商品カット。
軽トラの運転手が謝る。
映像本位で久しぶりにいいCMを見た。虚勢を張っている軽トラの運転手役は、どうもエスパー伊東らしい。ナイスなキャスティングだ。
最後以外セリフはなく、特殊効果もさりげない。がちゃついたCMが多い中、こういう渋いCMが入るとかえって引き立つから面白い。