映画のタイトル

細木数子が映画のタイトルに口を出し、このままではヒットしないと言ったので製作サイドも改題したそうだ。なんでもかんでも口出ししやがってあのクソババア、と言いたいところだが、どうも最近、特に洋画の邦題については私も首を傾げていたところだ。
邦画全盛の大昔、洋画には必ずと言っていいほど邦題が付けられていた。もちろん、直訳しただけのものやそのまま外来語にしただけのものもあるが、小粋なタイトルが付いていたものだ。
近年、邦画が衰退して洋画がはびこっても、「氷の微笑」などという素晴らしい邦題もあった。ところがこの十年程、洋画にはほとんど邦題がつけられず、そのままカタカナにしただけのものがあまりにも多過ぎる。私が観た中で閉口したのは、「エグゼクティブ・デシジョン」である。何の映画がこの題名で分かる人がいるだろうか。
邦題を付けるのは配給会社の仕事である。サクラの客を使った下らないCMをつくっているヒマがあったら、客が観に行きたくなるような邦題を考えろ。業務怠慢も甚だしい。AVビデオでも観て少しは見習え。「ベルリン・天使の歌」をもじった「ベロチン・天使の舌」には涙が出たわ。

機動戦士ガンダム

さて、今更何を書いたらいいだろうか。
この作品に出会わなかったら、今の私の60%はなかったと思う。60%がガンダムなのではなくて、ガンダムから派生したいろいろな物事が、60%なのである。
私は、辛うじて本放送をリアルタイムで観ることができた。小学校4年生だったと思うが、一番覚えているのが迫撃!トリプルドム、マチルダ中尉の死ぬ回である。いろんな記憶が上書きされているのではっきりとは思い出せないが、それほど熱中していたわけでもなく、観たり観なかったりでまだテレビより友達と遊ぶ方が楽しかったんだと思う。
ただ、プラモデルは激烈にハマった。それまでもプラモデルは作っていたが、ガンプラが出てからはもうガンプラ漬けである。ミリタリーや車などには目もくれなかった。
あれから25年、未だにプラモデルが売っているというのは凄い。これも偏に、スポンサーであるバンダイの努力(しがみついてるとも言うが)のお陰であろう。クローバーは今頃臍を噛む思いに違いない。
私も、稚拙ながらインサイドストーリーというものを書いている。これだけガンダムに世話になったのだから、少しでもガンダムのために何かしたいなというのは正直なところである。そして行く行くは、何らかの形でガンダムの制作に関われたらと思っている。
そして、本物のガンダムの完成を見ながら死ねればなあと、薄ら思っている次第だ。

PSPvsDS

年末のゲーム戦争は既に口火が切られている。今年はドラクエというキラーソフトの発売に加え、各社から新型ハードが発売される。プレイステーションポータブル(以下PSP)とNintendoDS(以下DS)だ。両方ともいわゆる携帯ゲーム機である。
私は、DSの優位性を感じている。ゲームボーイアドバンスの上位互換という点や価格もPSPより安い。しかし、最も注目すべき点はインターフェイスである。
タッチスクリーンを採用し、今までと全く違った遊び方ができるのである。DSのソフトに関しては、タッチスクリーン機能を使用するという前提で開発されたものがほとんどである。十字キーやボタンではできなかった細かい操作も可能になり、それはゲームの奥行きを広げるものである。
しかし、ハードの優位性、CPUがどうの、解像度がどうのというより、まずは面白いソフトありきである。そうなるとPS陣営が有利に思えてくるが、既にPSやPS2でプレイしているゲームを、わざわざ新しいハードを買ってまでプレイするユーザーが果たしてどのくらいいるだろうか。
その点、DSの新しいインターフェイスは、今までどこにも存在していなかったゲームがプレイできる。これはDSの存在意義を深め、購買意欲につながる強力な武器になる。
コンシューマーハードでは、任天堂は敗れ去った。しかし携帯ゲーム機は、任天堂の牙城と言ってもいいだろう。家庭用ゲームはPS、携帯ゲームは任天堂、といった住み分けが、近い将来起こり得ると、私は感じている。

MTJ #12

「1999 Secret Object」聖飢魔II
プロモーションに訪れたレコード会社の関係者が、聖飢魔IIのステージを観てぶっ飛ぶ。文字通りぶっ飛ぶ。ブラックというかシュールというか、今から考えると、オウムと同時期だったらかなりやばかったかも知れない。今はもう時代が寛容なので。解散するときにほんまに会場爆破くらいやってくれると思ったけどなあ。

「Limited Night」Zero Spectre
尊敬するドラマー(別にやってるわけじゃないが)池畑潤二がルースターズ解散後に結成したバンド。ヴォーカルがちょっとスカしててやな感じだったが、そこそこ頑張ってた。この曲はドラマ仕立てで面白い。女性を三股かけてる男にヴォーカルが扮し、どたばたやったあとに女三人から撃たれる。ノリのいい曲もいい。

「All My Dreams」The Jadoes
コミックバンドを欠片も感じさせない曲。ジャドーズにはある意味不必要な爽やかさが、ふんだんに詰まった一曲。しっとりじみじみと聴かせてくれる。笑いどころ一切なし。果たしていいのか悪いのか?

「All Night All Right」Rollie
90年代ももうすぐというときに、オールディーズを引きずっていたバンド。しかし、この曲はノリノリでかなり好きである。滅多にいかないカラオケで見つけたときには思わず歌ってしまった。ツインヴォーカルも新鮮。

「さいざんすマンボ」トニー谷
この曲あたりからリミックスが流行り始めた。コンピュータの発達で技術的に簡単になってきたのだろう。もちろん映像はトニー谷の映画からコラージュ。確かCDシングルもこのあたりから。プロデュースは大瀧詠一ざんす。

火事

23日午後5時半ごろ、私の家の前を消防車がサイレンを鳴らして通り過ぎ、すぐに停まった。そこには消火栓があるので、近所が火事に違いないと、私はPCの電源を落として窓を開けて辺りを見回した。
煙らしきものは見当たらないので外に出てみると、家の近くに停まった消防車から、北へホースが伸ばされていた。相変わらず煙や炎は見えない。町内から一斉に人が飛び出し、心配そうに様子を窺う。
どうやら台所からのボヤらしく、通行人が発見して消火しながら119番に電話したそうだ。おかげで大事には至らず、無事夕食の時間となった。
これから寒い季節になる。ストーブなどの暖房器具を使う機会も多くなる。皆さんもくれぐれも火事には注意していただきたい。

北斗の拳

この作品のために、我が家にビデオデッキの導入を急かしたのは事実である。まだハイファイが高級機だったころの話だ。テレビコードギリギリで破裂する敵の様子をぜひコマ送りで見たかったのだ。しかし、よくもこんな作品をゴールデンタイムに放送していたものだ。今なら不可能に違いない。
確か当時、スプラッターホラーのブームが来ていたような気がする。内蔵飛び散るあれである。まさか北斗の拳がそのブームに乗ったわけではないだろうが、相手を殴って倒すのではなく、秘孔を突いて内部から破壊するという発想は素晴らしい。リアル志向で勧善懲悪ものが減っていた時代、これだけ完膚なきまでに悪を倒すケンシロウの姿は勇ましかった。
作画も東映動画だけあって常にハイレベルに保たれ、見やすい作品になっている。加えて、神谷明の起用は他に選択肢がないほどピッタリであった。この作品は彼の代表作の一つにもなっただろう。
199X年はとっくに過ぎたが、今なお沸々とどこかで噂を聞く、北斗の拳である。あたぁーっ。

重戦機エルガイム

全国のアニメファンがその一挙手一投足に注目していた富野由悠季。ダンバインの不甲斐ないラストを受けたのか、エルガイムでは主導権を永野護に譲った。彼の世界観が存分に発揮され、富野色はかなり薄められた。
ずんぐりむっくりのメカとキャラに慣れていた我々は、永野の創り出す流麗なメカニックや個性的なキャラクターに翻弄され、また虜にさせられた。中世ヨーロッパのエッセンスが漂うその世界観は、エルガイムならではのものである。
その斬新なメカニック故、スポンサーのうけはあまり良くなかったように思うが、それほど影響はなかった。それもそのはず、このエルガイムの後には、あのビッグタイトルが潜んでいたのだ。だから黙っていたのだろうか。
劇中に登場するメカ、ヘビーメタルが使用する、背丈程もある射撃兵器バスターランチャーは、後に他のいろいろ作品でも登場するほどの人気となった。リアルロボットと謳っておきながら、こんな取り回しにくい兵器などナンセンスなのだが。