文化財のしみ事件考

京都や奈良などで、文化財に液体がまかれてしみのようになっている事件が起こっている。
今日まで18の寺社で見つかっているそうだ。
ところでみなさんは、ガードレールの金属片事件を憶えておいでだろうか。
全国各地のガードレールで、三角形をした謎の金属片が相次いで見つかり、怪我人も出た。
愉快犯か、子供のいたずらか、はたまた宇宙人の仕業か。警察も捜査に乗り出したが、結局それは、ガードレールに車が接触することによって、ボディの一部が剥ぎ取られたのが原因だった。
今回の文化財のしみ事件も、それと同じような原因だと私は思う。
各地で相次いで見つかっているのも、注目したからこそ見つかったわけで、以前から存在しているものかもしれない。
寺や神社の人も、毎日しみを探しているわけではないのだ。
報道も「油をまいたような」という書き方をしているところが多いが、人為的なものと決めつけるのはおかしい。
まずはそのしみの成分を分析し、防犯カメラに不審な人物が映っていないか精査することが先決だ。
例えば、ジュースを飲みながら歩いている人が、ジュースをこぼしてしみができるのかどうか。
犬や猫の糞尿の可能性は。何らかの自然現象の可能性は。
18件もあって目撃証言が一切ないのは。
それは本当に最近できたしみなのか。
犯人捜しもいいが、まずどうやってそのしみができたのかという原因を探るのが先である。
宗教に関わる者が、真っ先に人を疑ってどうする。