昼休み、外に出ると小雨が降っていた。
慌ててXバンドレーダーを確認すると、雨雲が通り過ぎたところで、程なく止むと判断して、いつもの場所へ昼飯を食いに出た。
その場所に着くころには雨も止み、日差しも薄らと差し掛けてきたそのとき、辺りの木々がざわざわとしだしたかと思うと、急激に風が吹いてきた。
それはだんだん強まって、土手を上る風は砂埃を巻き上げた。
たぶん、竜巻が近づいたらこんな感じなのだろうと思った。と同時に、身の危険を感じた。
風に怯えながら空模様を確認する。竜巻ができそうな気配はない。
しばらくするとぴたりと風は止んだ。
辺りは何もなかったように静まった。
ふと身体を見ると、風に吹き飛ばされてきたアブラムシがそこら中に付いていた。
もおっ。