初めてカメラを手にしたのは、小学校4、5年生くらい。
電車の写真が撮りたくて親のカメラを借りていたが、やがてポケットカメラを買ってもらった。
コダックの、いわゆる110フィルムを使うタイプのカメラだ。
高校生のとき、父親がどこかから一眼レフをもらってきてくれた。
キャノンの中途半端に古いカメラだ。
おまけに露出計が壊れていて、見た目で合わせて撮らないといけない。もちろんマニュアルフォーカスだ。
これが後々大いに役に立った。
そのカメラは大学時代も現役で活躍していたが、ある日、撮影中にすっころんでカメラを地面に叩き付けてしまった。
レンズは大丈夫だったが、ボディ内部の機械に損傷があり、シャッターが全く下りなくなってしまった。
その頃である。カールツァイスの名前を知ったのは。
当時既にバイトをしていて小金もあったので、新しいカメラを買おうと思っていた。
世間はオートフォーカス一眼レフ全盛で、α7000を始めとしたいろんなカメラが出回っていた。
そんなカメラには目もくれず、マニュアルフォーカスオンリーのカメラがあると聞いたのが、当時のコンタックスだった。
半分壊れたカメラをずっと使っていたせいで、ピントと露出は自分で決めるものだと思っていたのだ。
露出はさすがに難しいので、せめてピントくらいはマニュアルにこだわりたい。
それがカールツァイスとの出会いだ。
まだバブル全盛期だったので、ちょっと高いレンズだなとは思っていたが、そんなに高級機だとは知らなかった。
レンズは全部で四本。しめて20万くらいしただろうか。もちろん数年かけて買い集めた。
大学を卒業してもしばらく活躍していたが、21世紀ともなるとカメラはデジタル全盛。フィルムカメラの出番はすっかりなくなってしまった。
高価なレンズはずーっとカバンの中にしまわれたままだ。
前置きがかなり長くなってしまったが、私が買おうとしているNEX-7は、そのカバンの中に眠っているレンズを叩き起こし、再び私をカメラの世界に引きずり込んでくれるはずなのだ。
今のコンデジも買って10年近く経ち、相当大活躍してくれた。
一応マニュアルよりの機種を選んではいるがそこはコンデジ、不満も多い。
本当のいい写真はカメラなど選ばないのだが、あのレンズを腐らせておくのはさすがにもったいない。
それが、私がNEX-7を買うただ一つの理由なのだ。
NEX-7やらNEXUS7やらややこしいぜ。