私も、一番面白かったのはジャルジャルだと思っている。
私も、ジャルジャルは決勝に行ったと思っていた。
ところが、そうではなかった。
後藤は気丈にボケていたが、福徳のあの狼狽ぶりは相当ショックだったに違いない。
厳しい点を付けた審査員の言葉も納得できる。
ネタの幅がちょっと狭かった、聞いてるほうがアホでは理解できない、など。確かに言われてみればその通りだ。
しかし、それを真に受けて直そうものなら、それはジャルジャルのネタではない。
つまり、M-1に迎合しようものなら、ジャルジャルを捨てなければならないのだ。
あれが、あれこそがジャルジャルのネタであり、彼らの神髄なのだ。
ジャルジャルは、とっくにM-1に背を向けて遥か前を突っ走っている。
ジャルジャルがM-1を獲ったところで、それは全く意味のないことなのだ。
ジャルジャルよ、そのまま突っ走っていけ。M-1など置いていけ。
それがジャルジャルだ。
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M-1次の改革は
まずはとろサーモンおめでとう。
決勝は本当に横一線だった。
審査員が好みで投票すると言ったのも無理はない。そのくらい差がなかったのだ。
横一線ならば伸びしろのあるミキや和牛より、とろサーモンに入れてやるかという同情票のようなものになったのかもしれない。
結果はさておき、来年に向けてのM-1の課題が今年はっきりと露呈した。
以前からずっと話題にはなっていたが、あの上沼恵美子の一件でより一層今後の問題になるだろう。
準決勝の不透明さだ。
私も以前から感じていたが、決勝に出てくる組のレベルに差がありすぎる。
今年を例に挙げるなら、敗者復活で出てきたスーパーマラドーナと、マヂカルラブリー。
みなさんはこの二組どちらが面白かっただろうか。
結果はスーパーマラドーナが4位、マヂカルラブリーは最下位である。
しかし、スーパーマラドーナは敗者復活、つまり準決勝ではマヂカルラブリーのほうが上だったということになる。
では、なぜスーパーマラドーナが決勝に出られなかったのか。
そこに準決勝の不透明さが隠れているのだ。
決勝の審査は今年からだいぶ公平になったとは思うが、準決勝は何も変わっていない。
昔の東スポさんの記事を見れば、準決勝は放送作家が中心に審査している。
つまり、自分の裁量を審査結果に反映することが可能なのだ。
もしかすると、うちのコンビを出してくれという事務所が袖の下を握らせている可能性もなくはない(あったら大事だが)。
そこで、準決勝までは放送作家なりがふるいにかけ、準決勝は公開審査とし、100%観客の審査でやってみてはどうだろう。敗者復活はもう廃止する。
無理な話かもしれないが、それに近いことはできるはずだ。
最終決戦が拮抗するのはともかく、本当は決勝進出者全員が拮抗していなければならない。
そのためにも、来年はぜひ準決勝に改革の手を入れてもらいたい。
まあ、それができたとしてもまた新たな問題が出てくるのだろうが。
みんなそれだけM-1を真剣に観ている証拠なのだ。
M-1とは似て非なるもの
意外な気もするが、よく考えれば当然の成り行きだったのかもしれない。
昨年で終了したM-1の後を引き継いで、今度はフジテレビが漫才日本一決定戦を制作する。
その名も、THE MANZAI。80年代のあの空前の漫才ブームの火付け役となった伝説的な番組名の復活だ。
M-1のようにキャリアに縛りはなく、日本中の全ての漫才師が参加可能だ。それは何を意味するのか。
ベテラン勢の参加は、恐らくM-1歴代の優勝者さえ、おいそれと決勝へは進めないだろう。
しかしベテランによくある予定調和的なネタで、果たして会場を沸かせることはできるだろうか。ベテランとはいえ、気を抜けば早々に予選敗退だ。
制作サイドにおいては、ぜひ審査の透明性向上と、視聴者や観客の票も加えるような審査方法をお願いしたい。
これこそ、真の漫才日本一決定戦だと、私は思う。期待している。
M-1グランプリ2010
・カナリア
パターンの繰り返しによるダレが目立った。どっかにヤマがないと厳しい。
・ジャルジャル
らしさは出たが、やはり安定感に欠ける。コント職人のほうがいいかも。
・スリムクラブ
独特の空気感は素晴らしいものがある。それをうまく笑いにつなげている。
・銀シャリ
古臭い漫才でいいじゃないか。それを突き通せ。
・ナイツ
抜群の安定感。しかし、爆発力に欠けるところは否めない。
・笑い飯
鳥人並みによかった。9年もこの力を維持しているのはすごい。
・ハライチ
面白いんだが、もう一度見たいとは思えない。
・ピース
期待値が大きかった。もうちょっと面白いと思ったのだが。
・パンクブーブー
このネタはよくできているし面白い。前王者の面目躍如だろう。
ファイナル
パンクブーブーの失速は、吉本のチームオーダーと揶揄されてもおかしくない。
おかげで、スリムクラブと笑い飯の一騎打ちとなった。
スリムクラブは、初見の有利さもあって堅実に笑いを取った。どっちが受けたかといえば、僅差でスリムクラブだろう。笑い飯は明らかに少し失速していた。
今日一番面白いコンビは確かにスリムクラブだったかもしれない。
だが、最後のM-1王者の冠を戴くのに相応しいのはと考えたとき、それはやはり笑い飯だと思う。
M-1によって見出され、M-1によって育てられた笑い飯。彼らこそ、最後の王者に相応しい。
おめでとう。面白かった。
審査の透明性向上(すればいいなあ
今年もM-1の季節がやってきた。
本命不在といわれる今年、その審査方法に大きな変更があった。
従来、作家や演出家で審査していた準決勝を、一般公開して審査しようというのだ。
これまでのM-1は、決勝進出組に?が付くことが多々あった。ハリセンボンしかり、素人コンビ然りだ。
あまり面白くなくても、大手プロダクションの無言の圧力や人気度を加味して審査されてしまい、そのために視聴者からも疑問の声が多く上がっていた。
これで多少は払拭されると思う。
R-1も同様に、決勝はトーナメント方式で行われるそうだ。こっちはもっと不審な審査だった。点数を公開しないなど言語道断だ。
しかしそれもこれも、本命不在というプロダクションのプッシュがないからできること、という裏話でなければいいのだが。